イタリアのアドリア海に面した水の都、ヴェネツィア。地中海貿易で繁栄を極め、15~16世紀にかけては多くの美術家が誕生した。なかでも、華麗な色彩でヨーロッパ中の画家をとりこにしたのが、ヴェネツィア・ルネサンス黄金期に君臨したティツィアーノ・ヴェチェッリオだ。この巨匠と同地で活躍した画家に焦点を当てた「ティツィアーノとヴェネツィア派展」が、東京都美術館で開かれている。
ティツィアーノは宗教画、神話画、肖像画などに優れた才能を発揮し、今も“イタリアの至宝”として愛されている。ティツィアーノ絵画の最大の魅力は色彩の美しさで、同時代の天才ミケランジェロをうならせたほど。
彼の代表作として知られる「フローラ」は、まさにそんな作品。
