かつては工場だっただけあって、天井も高く開放的な空間。「地球の質量を感じる」というテーマのもと、自然のカケラを空間に持ち込み、東京に小さな森をつくりだした。内装の担当は建築家・武田清明氏。

SANU NOWHERE - 東京メトロ 中目黒駅(日比谷線)[TOKYO METRO UPDATING]

おでかけ

自然のカケラをちりばめた
地球の質量を感じられる場所

 中目黒駅で降りて、駒沢通りを祐天寺方面に歩いていくと、身の丈ほどはあろうかという巨岩に出合う。その花崗岩の奥に「SANU NOWHERE(サヌ ノーウェア)」がある。メンバーシップ制セカンドホーム事業を運営するSANUが、9月にオープンした店だ。

 昼は、奥沢発のスペシャリティコーヒー店「ONIBUS COFFEE」のカフェメニュー、17時以降は宮崎県・青島の「SANBARCO」が絶品タコスをナチュールワインとともに提供。店の形態は、2店が同居するカフェ兼ダイニングになるが、この空間の魅力はそれだけではない。床の一部を剥がし地面を露出。そこに4トン以上の巨岩を設置し椅子や机代わりに使用したりと、店のいたるところに自然が持ち込まれている。「自然と共に生きる」を理念とするSANUらしい空間だ。

 東京の忙しい環境では、ときに自分を見失う。そんなときこそ訪れ、地球を感じてみよう。NOWHEREからNOW HEREへ。きっと自分の現在地を確かめられるはずだ。

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店の目印は、錆色がアクセントの花崗岩・蛭川御影石。店内外の植栽は、Yard Worksが担当し、地球のさまざまな場所から植物を集めた。建物の2階と3階部分には、SANUのオフィスが入っている。

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床を剥がし、開放した大地の上に設置された真鶴の小松石。腰掛ければ、窓から届く光と風、土の匂いも感じられる。店奥の半地下にはシアタースペースもあり、毎日自然をテーマにしたショートムービーを流している。

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世界中からサーファーが訪れる、宮崎県・青島海岸の「SANBARCO」が東京初出店。オーナーシェフの大上良輔さんによると、都会と地方の感性が交錯し、新たな刺激を生み出す場所を目指したいとのこと。

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タコスはエビ、サバ、ビーフ、ラム、ビーガンの5種(550円〜)。サルサソースはメキシコの唐辛子&ライムでつくるSANBARCOオリジナルで、今後は東京周辺の食材を研究し中目黒店独自の味も生み出していく。

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東京を中心に、国内外で店舗を展開する「ONIBUS COFFEE」は、代表の板尾篤史さんが、世界各地の農園に足を運び仕入れた豆を使い、フェアでサステナブル、毎日飲んでもおいしいコーヒーを目指している。

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ハンドドリップのシングルオリジンは、常時6種類ほど(770円〜)。コーヒー以外にもサンドイッチやマフィンなどのサイドメニューもある。写真はバナナブレッドのエスプレッソバターのせ(583円)。


SANU NOWHERE

目黒区中目黒3-23-16
[営]9:00〜18:00(ONIBUS COFFEE)、17:00〜23:00(SANBARCO)
[休]不定休
 @sanu_nowhere



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