文・AYANA 写真・中川正子

年齢と装いの関係(ファッションの話)[連載エッセイ ゆらめくひかり]


 世の中には「歳相応の正しいふるまい」を求められるシーンが多々ある。そしてその機会、女性のほうにずいぶん多い気がするのだが、私が女だからそう感じてしまうだけだろうか。

 そのひとつにファッションがある。特に「いい歳してその格好はイタい・ダサい・間違っている」みたいな言説を、SNS等で見かける頻度はまあまあ高い。私はロックTも、ロマンティックなワンピースもミニスカートも、何歳になったって着ていいし、好きならどんどん着よう!と強く思っている。好きな服を着たほうが、自分自身を偽ることなく、楽しく幸せな気持ちでいられると信じているからだ。

 ただ、年齢を重ねることで避けられないことがひとつあって、これについては考えておきたい。それは肌質感の変化だ。水分保持力が少しずつ弱まり、弾力はゆるやかになって、ありていに言うとハリがなくなる。パンパンに空気が入っている風船はつやつやしているが、空気が抜けると少ししぼんできれいに光を反射しない。肌でも同じことが起こる。

 当然顔だけでなく、首や腕、脚、手指、さらには髪など全身にその変化が起こり、服の似合い方に変化が生まれてしまう。ハリのある肌なら、古着のTシャツとダメージデニムを合わせても質感のメリハリがあってバランスがいい。しかし肌のハリが弱まっていると質感の統一めいたことが起こり、全体に経年変化感が漂ってしまう、気がする。

 じゃあ古着はもう着られないのかというと、いやいやそんなことはない。輝きのあるアクセサリーや時計、美しい光沢のジャケット、手入れされた革靴などをミックスすると、質感のバランスが取れていくからだ。よく「大人になるとキラキラした宝石を身に着けたくなる」という話を聞くが、これも質感の話で説明がつくと私は思っている。

 先日表参道を歩いていたら、あまりにも素敵にミニスカートを着こなす女性とすれ違った。60代くらいだろうか、もっと上かもしれない。しかしスカートからスラリと伸びた脚にはきれいに筋肉がついていて、歩く姿勢もスマート。スカートとジャケットは清潔感のある美しいシルエットのものだった。各所に意識が行き届いていて、努力や知性を感じずにはいられなかった。

 何歳であっても、好きな格好をしていい。けれどもずっと同じ年齢でいることはできない。このふたつとどう付き合っていくのか。そこにこそ、その人の個性が滲んでいくのだと思う。古着やミニスカートを選んでも選ばなくても、そこにあるのは個性であって優劣ではない。自分の心がわくわくする、うれしいほうを選ぶのが、その人にとっての正解じゃないだろうか。いくつになっても。


アヤナ
ビューティライター。化粧品メーカーの企画開発職を経て、35歳でライターとして独立する。培った専門知識にファッションやアート、ウェルネス視点を加えた独自の美容観でビューティを分析し、さまざまなメディアで執筆。近著に『仕事美辞』(2024年双葉社)。「エモ文」文章講座も開講中。遅ればせながらせいろの魅力に開眼しました。

@tw0lipswithfang


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30年以上前から女性の健康とともに歩み、研究開発をつづけてきたロート製薬は、女性ならではのからだの変化・不調に向きあう商品や、正しい知識を発信中。「女性ホルモン」と生きるあなたの、からだだけでなくこころにまで、そして、目に見えるものだけでなくカタチのないものにまで寄り添う存在として、“モンモン”を、“ルンルン”にしていくパートナーを目指しています。

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