「プランタン銀座」で公開されている海外画家の落書き=東京都中央区銀座  (写真・田中幸美)

《銀座》今月末に閉店するプランタン銀座で芸術家の落書きを初公開


 フランス・プランタン社との契約終了に伴い31日で閉店する東京・銀座の「プランタン銀座」で、さまざまな海外画家がアートギャラリーに描いた落書きが公開されています。ジャン・ピエール・カシニョールをはじめ、著名な15画家の計19点の落書きが描かれた壁は、これまで倉庫に保管されていたため、本邦初公開。これほど多くの著名画家のコラボレーションは他に例がなく、貴重なものとなっています。

著名な画家の貴重なコラボレーションとなった壁の落書き


 落書きは、高さ約240センチ、横約670センチの壁紙に描かれていて、本館地下2階のエスカレーターを降りた右手の壁に飾られています。フーズフロアの一角なので、もちろん入場料などは必要ありません。カシニョ-ルをはじめ、ベルナール・ビュッフェ、ベルナール・カトラン、グラハム・クラークなどそうそうたる顔ぶれです。
 プランタン銀座では1984年の開業とともに、本館7階に開設されたアートギャラリー「ギャルリィ・ドゥ・プランタン」で、海外画家の来日展を意欲的に開催しました。同時に版画作品を中心に展示即売会なども開催しました。画家の落書きは、ギャラリーに併設されていた事務所で、くつろいだり時間をつぶしたりしている時に描かれました。

著名な15画家の計19点の落書きが描かれた壁は本邦初公開です


 最初に事務所の壁に筆を走らせたのは1992年に来日したカシニョール。優美な女性を描いて世界的人気を誇るフランス画壇の巨匠です。「筆を貸してくれ」と言うと、瞬く間に帽子を被った女性の姿を描いたそうです。以後カシニョールの落書きを目にした来日画家たちは、ワイン片手に、あるいはたばこの煙をくゆらせながら、リラックスしたこの空間で次々に寄せ書き風に描き、いつしか壁一面が有名画家たちのサイン入り落書きで埋まりました。壁は当初は真っ白でしたが、たばこの煙が染み込み、黄色く変色してしまったそうです。2012年にギャラリーは閉鎖、改修されましたが、壁紙は取り外され倉庫に大切に保管されました。

世界的画家、カシニョールが風にスカーフをたなびかせる姿の女性を描いた(中央下)のをきっかけに、さまざまな画家が壁に絵を描きました


 今回閉店するにあたって、未公開のものやバックヤードを公開するなどの企画を考えていた際に落書きの公開を思いついたそうです。広報の三井智子さんは「堅苦しくなくのどかでアットホームな雰囲気のギャラリーだったからこそ、画家たちも気楽に描いてくれのだと思います」と懐かしそうに話していました。 この芸術家たちの落書きは、31日の閉店まで鑑賞することができます。



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