春を彩る桜をモチーフにした和菓子  (写真・田中幸美)

《横浜》満開の桜の和菓子を召し上がれ 高島屋

GOURMET, ODEKAKE

 いよいよ桜の開花が秒読み段階となりましたね。今週には各地から桜の便りが届くことでしょう。桜の季節のちょっと華やいだ気分を和菓子でも感じてみたいと、横浜高島屋にある和菓子のコーナー「銘菓百選」を訪れました。
 売り場には遠くからでもはっきりわかるくらいピンク一色に染まった桜の和菓子コーナーが設置され、なにやら明るい雰囲気です。

#

桜にちなんだ和菓子がズラッと並び、売り場はピンク一色に染まりました=横浜市西区の横浜高島屋  (写真・田中幸美


 横浜高島屋の和菓子バイヤー、高田圭祐さんは「桜にちなんだ和菓子は、もともと和菓子では使われなかった素材を扱った和洋折衷のものが多いですね。開花宣言を間近に控えていますので、お求めいただく機会が多いと思います」と話していました。
 それでは、高田さんにお薦めの桜の和菓子をひとつひとつ紹介していただきましょう。

 ひときわ鮮やかなピンクの花びらが浮かび上がりました。創業250余年の「紅梅屋」(三重県伊賀市)が作った「さまざま桜」(24枚/761円・税込み)です。
 海苔やごま入りなど風味豊かなさまざまな桜の干菓子ならではの食感が楽しめます。水を一切使わず、伊賀特産の香ばしい焼寒梅粉に、山芋と砂糖を加え、伝統の製法で仕上げました。工芸菓子などでおなじみの雲平(うんぺい)のお菓子となっています。
 「さまざまの事 おもひ出す 桜かな」
 菓銘は伊賀出身の俳聖、松尾芭蕉に由来します。俳諧師となった芭蕉が漂白の旅すがら故郷の土を踏んだ際に詠んだそうです。

#

「紅梅屋」の「さまざま桜」


 ほんのりピンク色に色づいた桜の形のあられも登場しました。米どころ新潟県のあられやおかきなどの専門店「瑞花」(ずいか・長岡市)の「桜あられ」(1袋/108円・税込み)です。
 生地にエビを練り込み、あっさりとしたサラダ塩味に仕上げまています。かわいらしい一口サイズで、さくさくと軽いので、とまらなくなってしまいますね。

#

「瑞花」の「桜あられ」


 「菓子舗榮太楼」(秋田市)からは見た目にもかわいらしい季節限定の「さくらゼリー」(1個/251円・税込み)が届きました。桜の花をひとつひとつ手作業で丁寧に開き、ゼリーに閉じ込めています。透明なゼリーにふんわりと桜の花が咲いたさまを愛でるのも一興ですね。プルル〜ンとした食感がうれしい、ほんのり甘くて上品なお味です。

#

「菓子舗榮太楼」の「さくらゼリー」


 「しろ平老舗」(滋賀県愛荘町)の「近江しょこら SAKURA」(1296円・税込み)は、アールグレー、抹茶、ココアと3種類ある「近江しょこら」の桜バージョン。昨年初めて試したところ、評判がよかったので今年から商品化したそうです。
 米粉を使用した蒸し菓子で、和菓子の定番「浮島」をベースに、通常よりも白あんを多めに入れて作っています。生地には、塩味を調整した大島桜の葉の塩漬けをみじん切りにして練り込んでいます。さらに真ん中にはホワイトの生チョコをサンドしました。塩味や桜の風味がチョコレートの甘味によって奪われないように、通常よりも薄めにしているそうです。
 同店五代目の岩佐昇さんは「棹に入った状態で桜吹雪をイメージして作りました。頭の中は春爛漫、桜が咲き誇るイメージですね」と話していました。

#

「しろ平老舗」の「近江しょこら SAKURA」


 日本を代表する温泉地、静岡県熱海市の老舗和菓子舗「間瀬」の「桜きんつば」(2個/378円・税込み)は、北海道産の小豆と伊豆・松崎産の桜葉を使用しました。小豆の中に白小豆を混ぜ込んで、ほんのりと白く浮かぶ夜桜を表現したそう。なんともロマンチックですね。鹿の子あんの中に桜葉を細かく刻んで練り込んでいるので、桜の香りも同時に楽しめます。

#

「間瀬」の「桜きんつば」


 京都からは「亀屋清永」(京都市東山区)の「都の春」(半棹/810円・税込み)をお薦めします。
 下層に抹茶の羊羹を、上層には薄紅色の道明寺羹を重ね、実に春らしい色合いです。道明寺羹には白小豆の粒がちりばめられていて、満開に咲き誇る桜の花をバックに、目の前に桜の花びらがひとひら舞い散るような情景を表現しています。まさに都を染める春爛漫の美しさです。
 そういえば、祇園石段下の店舗に近い円山公園の枝垂れ桜の開花が待たれますね。

#

「亀屋清永」の「都の春」


 筒型の容器に入った独特な形をした「五勝手屋本舗」(ごかってやほんぽ・北海道江差町)の五勝手屋羊羹。筒の上にある蓋を外し、容器の底を押し上げて食べる量だけ出し、容器上部についている押出し糸で容器を一周させるように回して切り取って食べます。
 2013年に開発された五勝手屋羊羹の季節商品が「さくら羊羹」(1本/378円・税込み)です。創業以来初の新作だそう。直径3センチ、長さ12センチ、桜の花びら模様が散りばめられた淡いピンクのかわいらしいパッケージもウキウキします。

#

「五勝手屋本舗」の「さくら羊羹」


 地元横浜からは、松原商店街(横浜市保土ケ谷区)にあるお茶屋さん「丸秀園」が作る「さくら抹茶どら焼き」(195円・税込み)が届きました。
 昨年、初めてどら焼き作りに挑戦した「丸秀園」が、試作品を高田さんに提案。高田さんが「この洋菓子風の生地はとてもクリーミーでおいしいです。お茶屋さんならではのどら焼き、ぜひ商品化してみてください!」と持ちかけ、中に入れるあんを調整した結果、とてもおいしい「抹茶どら焼き」が完成し、大人気となりました。
 その「抹茶どら焼き」に桜あんを入れた季節商品が、このたび誕生した「さくら抹茶どら焼き」です。
 足柄茶を使ったクリーミーな生地に、季節限定の桜あんをはさみ、丁寧に一枚一枚焼き上げました。本店以外では横浜高島屋だけで販売しています。

#

「丸秀園」の「さくら抹茶どら焼き」


 次にあめを2種類ご紹介しましょう。
 「大杉屋惣兵衛」(新潟県上越市)は季節限定の「桜あめ」(10個/540円・税込み)をお届けします。水あめに寒天を加えて固めた同店の代表銘菓「翁飴」に季節の素材を盛りこみ一口サイズにしたものだそうです。
 家伝の柔らかな半生あめに、桜エキスと塩漬け桜葉を練りこみ、風味豊かに仕上げました。まるでグミのようなムニュっとした柔らかい食感のあめ菓子ですが、口の中に桜の香りとほのかな塩味が広がります。ちなみにこちらは、「日本三大夜桜」のひとつとうたわれる高田公園の桜にちなんだ逸品だそう。

#

「大杉屋惣兵衛」の「桜あめ」


 「大文字飴本舗」(京都市右京区)の季節商品である「さくら飴」は最も春らしい京あめです。しっかりと丁寧にたき上げたあめ生地に、国産の塩漬けした桜の花びらを丁寧に練りこみ、色づけを調整して作り上げています。
 その「さくら飴」をかわいらしいブタの形のガラスビンに詰めたのが「京のぶた さくらブタさん」(594円・税込み)です。あめを楽しんだ後には、小物入れなどにも使えるほか、プレゼントにも喜ばれること間違いなしの一品です。

#

「大文字飴本舗」の京のぶた さくらブタさん」


 桜の和菓子をいただきながら、桜の開花を待つのも風情があってすてきな時間を過ごせそうですね。

#

京都・醍醐寺の桜 (写真・田中幸美)


(写真はすべて田中幸美)

◆横浜高島屋は、横浜市西区南幸1-6-31。午前10時~午後8時。問い合わせは☎045・311・5111。




LATEST POSTS