ここ数年、卵やうさぎなどをモチーフにしたカラフルでかわいらしいイースターの和菓子がたくさん出てきました=横浜市西区の横浜高島屋 (写真・田中幸美)

《横浜》イースターの和菓子で春を満喫 高島屋


 16日はイースター。キリストの復活をお祝いする「復活祭」です。
 ハロウィンほどなじみはないのですが、洋菓子売り場などでは、この時期パステルカラーの卵やうさぎの形のお菓子でにぎわっています。
 イースターはなぜ卵なのでしょうか。それは、ヒヨコが卵の殻を破って出てくるように、キリストも死という殻を破って蘇ったことを象徴しているからだそうです。
 横浜高島屋では今年初めて、和菓子売り場「銘菓百選」に卵やうさぎをモチーフにした「イースターの和菓子」をそろえました。同店の和菓子バイヤー、高田圭祐さんは「第2のハロウィンとして注目される行事がイースターです。和菓子でもイースターをモチーフにしたものを高島屋として企画しました」と話します。


 上生菓子から紹介しましょう。
 富山県高岡市の老舗和菓子店「引網香月堂」の四代目、引網康博さんは、猫や犬、クマやサルなどの動物を練り切りで表現した「アニマル生菓子」で独自の世界を築き、好評を得ています。
 引網さんが調製したイースターの上生菓子は3種類。(写真左から)きんとん製の「ショコラ生菓子 復活の卵」はビターなチョコあんが入っています。おなじみ卵型の「イースターエッグ」の中は黄身あんです。そして、もっともキュートな見た目の「イースターバニー」は一般的な小豆の漉しあんを使っています。(いずれも324円・税込み)

「引網香月堂」の(左から)、「ショコラ生菓子 復活の卵」「イースターエッグ」「イースターバニー」 (写真・田中幸美)


 「味の飽きがこないように工夫しました」と引網さんは話します。さらに「普段、和菓子にご興味のない方々の入り口になれたらという思いで、ご用意しました」とも。そして、「これからは自分の中で日本の古典も近世(の行事)の楽しみも取り込んで和菓子を作りたいと考えています」と話していました。


 強烈な真っ赤な卵の生菓子は、「和菓子をちょっと自由に」がモットーの山形市の老舗「乃し梅本舗佐藤屋」の八代目、佐藤慎太郎さんが作った「ふたたび」(324円・税込み)です。
 「死者の復活など赤い卵が産まれるくらいありえない」と言い放ったローマ皇帝に、キリストに付き従いキリストの死と復活を見届けたマグダラのマリアが、赤く染めた卵を献上したのがイースターエッグの起こりとされています。佐藤さんはそれをイメージしたそう。

「乃し梅本舗佐藤屋」の「ふたたび」 (写真・田中幸美)


 中のあんは、キリストの遺骸にマグダラのマリアが塗った香油をイメージして、ココナツオイルとざくろのシロップのあんにしました。3つの玉はキリストの智慧をイメージしたそうです。
 佐藤さんは「奥に込められた意味を、姿形や色、菓銘、味も含めて表現する和菓子らしさを出しました」と話します。和菓子で表現すると奧深いですね。

真っ赤な卵がズラッと並ぶと壮観です=山形市十日町の「乃し梅本舗佐藤屋」で (写真提供・佐藤慎太郎さん)


 次に紹介するかわいらしいウサギは、「青柳正家」(東京都墨田区)の三代目、須永友和さんが調製した、そのものずばりの「うさぎ」(324円・税込み)です。須永さんは「うさぎがおとなしくしているときって、卵を横にころがした感じに見えますよね。卵がうさぎだったら?と連想して調製しました」と話していました。
 ウサギは、イースターの卵を運んできたとされ、「再生」のシンボルでもあります。卵とウサギの両方をイメージしてできた和菓子なんてステキですね。

「青柳正家」の「うさぎ」 (写真・田中幸美)


 石川県小松市の「御朱印」からは、巣に置かれた3色の卵のような「リトルのたまご」(3個540円・税込み)が届きました。「リトルのたまご」は、あんをチョコレートで包んだおまんじゅうです。黄色の卵はカカオと小豆あん、白は抹茶あん、ピンクは黄身あんです。

「御朱印」の「リトルのたまご」 (写真・田中幸美)


 次に、伝統のお菓子ケンピで知られる「西川屋老舗」(高知市)の「長尾鶏の玉子」(6個648円・税込み)を紹介します。こちらは、本店では通年で取り扱いのあるお菓子だそうです。横浜高島屋ではイースターに合わせて取り寄せました。
 サックリとした最中種の玉子の中に、白身に見立てたマシュマロ生地で丸い黄身あんを包み込んだ土佐銘菓です。本物の卵パックような容器に入っているのもおしゃれです。

「西川屋老舗」の「長尾鶏の玉子」 (写真・田中幸美)


 最後に、名古屋の代表的な老舗「両口屋是清」からは「彩色の珠」(さいしょくのたま/918円・税込み)を紹介しましょう。
 こちらは何層にもなった羊羹です。最下層がレモンピール入りの小倉羹、真ん中の黄色はレモン果汁の入った練り羊羹、白い部分は上南羹でできています。また、最上部は、羊羹生地を卵形にくり抜いたところに寒天を流し入れて作りました。和菓子らしくイースターを表現していて、ステキですね。

「両口屋是清」の「彩色の珠」 (写真・田中幸美)


 クリスマスやバレンタイン、そしてハロウィンなど西洋の行事もいまや日本の風物詩になりつつあります。和菓子で春を楽しみイースターをお祝いしませんか。
*16日(日)まで販売します。数に限りがあるため、売切れの場合があります。

◆横浜高島屋地下1階銘菓百選売場 横浜市西区南幸1の6の31 ☎045・311・5111


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