引き取って3カ月後に元の飼い主が見つかり、名前はアリスと判明。だが、本来の飼い主は飼える状況ではなく、正式に引き取ることになります。
滝川さんはアニマル・ウェルフェア(動物福祉)にのっとり、20年までに犬猫の殺処分をゼロにすることを目的に4年前、一般財団法人「クリステル・ヴィ・アンサンブル」を設立しました。
「年老いた犬を介護できなくて捨ててしまう人がいかに多いことか。アリスを連れて『命の授業』を小学校などでしています。自分が捨てられる身になったら、どれほど寂しくつらいか…そのことを伝えています」
地道な活動は徐々に世間に知られてきました。「この前ね。アリスと一緒に乗ったタクシーを降りるとき、運転手さんが『アリス、またねー!』と言ってくれたんです。名前を知っててくれた。ジーンときました」と喜びます。
「アリスは私が意識しなかった自分の愛情や忍耐強さを気づかせてくれた大切な存在です。次に大型犬を飼うときは、目の不自由な子とか、もっと大変な状況にある子を引き取りたいと考えています」
保護された犬や猫の情報を広める、新たな活動のパネルを紹介する滝川さん
真剣なまなざしで強調した滝川さん。「お・も・て・な・し」も大切だが、アリスのおかげで彼女の中に「お・も・い・や・り」も確実に育っているようです。
滝川クリステル(たきがわ・くりすてる)
1977年10月1日生まれ、40歳。仏パリ出身。父はフランス人、母は日本人。青学大文学部卒業。2000年、共同テレビにアナウンサーとして入社。02年から7年間、フジテレビ系「ニュースJAPAN」のキャスターを担当。09年にフリー転身後、10年から3年間、同局系「Mr.サンデー」に出演した。報道だけでなく、CM、テレビ、ラジオで幅広く活躍している。