静かに試合を支える、努力の人
「あんなのが本当にいたのか!って。10メートルを超える生物がその辺を歩いている姿を想像すると、ワクワクします」
すこし熱っぽくなって、大好きな“恐竜”について話すのは、千葉ジェッツの石井講祐選手。コート上では、冷静に状況を分析し、勝負どころで点を重ねる、3ポイントシューターだ。
今でこそ、チームにとって欠かせない存在としてコートに立つ彼だが、これまでのバスケット人生は決して順風満帆ではなかった。大学卒業後、実業団チームでプレーした後に脱サラし、プロリーグへ挑戦。練習生として千葉ジェッツへ入り、2014年より正式にメンバーとなる。プロ6シーズン目ながら、今年で31歳だ。
「でも、決して遠回りだったとは思っていません。これまで、人にも環境にも恵まれてきた、というのが正直な感想です」
実直にそう語る彼は、オフの時間にも向上心を忘れない。
「オフでも意識的に時間を使います。この1時間をどう使うのか考えて、例えば昼寝するにしても、目的をもって昼寝します」
練習はもちろん、ちょっとしたオフでも自分の成長を考えた過ごし方を心がける。そして試合中には、自分だけでなく、チームメイトへの気配りも忘れないという。
「まとめ役のキャプテンもいるので、僕はチームを俯瞰して、足りていないところを補いたい。焦っている選手を見て声をかけたり、ゲームを落ち着かせたり」
3ポイントラインから外のシュートを狙いつつ、チームへの気配りもしっかりと。チームをチャンピオンに導くのは、きっと彼のような陰の立役者だ。
明日はWEB EXTRA、②最初に迎える開幕戦の楽しさ、責任