NHK大河ドラマにもなった「国盗り物語」のコーナーには、信長の黒印状や斎藤道三の遺言状などの歴史資料も展示されています=横浜市西区の「そごう美術館」 (写真・田中幸美)

《横浜》作家、司馬遼太郎の没後20年記念回顧展 そごうで


 司馬遼太郎という作家をご存じですか。「功名が辻」や「国盗り物語」など最多となる6作品がNHK大河ドラマの原作に採用された歴史小説家で、亡くなって20年以上たつ今もなお、多くの作品が多くの人に読み継がれています。

司馬遼太郎展の入り口に飾られた司馬さんの姿をモチーフにしたボード=横浜市西区のそごう美術館 (写真・田中幸美)


 その司馬遼太郎の貴重な自筆原稿をはじめ、作品のバックボーンとなる歴史文書や絵などの関連資料などを集めた回顧展「没後20年 司馬遼太郎展 21世紀〝未来の街角〟で」が、横浜市西区の「そごう美術館」で開催されています。「竜馬がゆく」「坂の上の雲」など歴史を見つめた数多くの著作や関連する資料から、未来に向けたメッセージを読み解くことができます。

小説「関ヶ原」のコーナーには、歴史資料の「関ヶ原合戦配置図」も展示されています


 回顧展は昨年10月の北九州を皮切りに、大阪と高知で行い、今回が4会場目。
 会場入り口付近では、4年にわたって新聞連載された「竜馬がゆく」のコピーがインスタレーションのように空間を構成しているほか、会場出口近くには、司馬さんの年表にそれぞれの著作の書影を落としたコラージュが施され、シンプルな中にもスタイリッシュなセンスの感じられる展示となっています。

会場入り口付近には、「竜馬がゆく」の新聞連載のコピーが空間を覆い尽くしたコーナーがあります


年表に著作の書影が落とされたコラージュ的な展示


 会場は、戦国時代に躍動した人々の生き方から歴史を描く「16世紀の街角」、幕末から維新へと大きくうねる時代を描いた「19世紀の街角」、そして歴史と風土を踏まえつつ日本のあり方を標榜した「21世紀の街角」の3部構成になっていて、全体を貫くテーマは「未来の街角」だそう。

会場には、年配の方に混じって若者の姿も見られます


 作品を執筆する上で参考にしたと思われる書状や地図などの歴史資料やびょうぶ絵などが添えられているほか、NHK大河ドラマ「功名が辻」に登場した甲冑や打掛けなども展示されています。ちなみに歴史資料は複製とただし書きされたもの以外はすべて本物ということですので、歴史ファン垂涎ですね。

「関ヶ原合戦図屏風」のレプリカ


NHK大河ドラマ「功名が辻」に登場した甲冑


 さらに、司馬さんが新聞記者時代に所属していた京都宗教記者クラブで、よく寝転んでは資料や本などを読んでいたという長いすや、第42回直木賞を受賞した「梟の城」を執筆した文机なども展示されています。

寝転んでは資料や本などを読んでいたという京都宗教記者クラブにある長いす


「梟の城」を執筆した文机


 司馬遼太郎記念館(大阪府東大阪市)の上村洋行館長は、「司馬作品は、歴史の中に分け入りながら、常に今を考え、未来を見据えています。だから色あせないのです」と話します。
 また昨今、歴史ファンの女性を表す「歴女」という言葉に代表されるように、歴史に関心を持つ人たちが増えています。そうした状況を踏まえながら、「司馬作品がそうであるように新しい時代を見据えていくという姿勢がこれから要求されると思います」とも話していました。

熱心に展示に見入る人たち


 少しでも歴史に興味がある人には、ぜひ足を運んで頂きたい展示会です。(写真はすべて田中幸美)

 ◆「没後20年 司馬遼太郎 21世紀〝未来の街角〟で」は、横浜市西区高島2ー18ー1、そごう横浜店6階の「そごう美術館」で、7月9日(日)まで。午前10時~午後8時(入館は午後7時30分まで)。会期中無休。入館料は一般1000円ほか。問い合わせは☎045・465・5515。


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