東京・六本木の六本木ヒルズを舞台に、イタリアのファッションをはじめ、食やアートなどを網羅した日本最大級のイタリアの祭典「アモーレ・ミオ2017」が先週末行われ、21日にはアクロバットとダンスを融合させた話題のパフォーマンスグループ「BLUE TOKYO」(ブルートーキョー・BT)が登場し、集まった多くの家族連れなどを魅了しました。

アクロバットとダンスを融合させた独特のパフォーマンスで観客を魅了したBTのメンバー=21日午後1時過ぎ、東京・六本木の「六本木ヒルズ・66プラザ」 (写真・田中幸美)
緑・白・赤のイタリア国旗の「トリコローレ」を意識して、演技の際に手にするクラブには3色の布を施したほか、大判スカーフにもトリコローレを使うなど、小道具でイタリアを演出。

イタリア国旗をイメージした大版の布を駆使した演技をするBTメンバーの椎野健人さん(左)
また、メンバーのコスチュームも白のパンツとシャツを合わせたカジュアルなルックでしたが、トリコローレのタイやスカーフ、ベルトなどをアクセントとして用いて、〝ファッションの国〟イタリアを意識したセンスが見られました。

白のコスチュームにイタリアのトリコローレの小物などを合わせた衣装で演技する松田陽樹さん
この日はイタリアを代表する作曲家ビバルディのバイオリン協奏曲「冬」に合わせてパフォーマンスを披露。バック転やバック宙などのアクロバットを随所に織り交ぜながらダンスを披露すると、集まった観客からは「おお~!!」という感嘆の声が上がっていました。

アクロバットとダンスの融合という独特のパフォーマンスを披露するBTのメンバー
今回は、4月の「ヨコハマ大道芸」に続き、再び屋外のパフォーマンスとなりました。普段は劇場や室内などで演技することが多く、照明もパフォーマンスを構成する要件の1つとなります。照明が暗転した際には次のアクロバットに備えて、上がってしまった息を整えることもできますが、屋外の場合は、すべての動きが白日の下にさらされてしまいます。リーダーの大舌恭平さんは「照明がない部分をどう作るか、またお客さんをいかに飽きさせないようにするかに腐心しました」と話していました。

BTリーダーの大舌恭平さんは、パフォーマンスの冒頭でソロを披露しました
また、この日の東京は最高気温が30・9度となるなど真夏を思わせる暑さ。肌を焼くような直射日光が容赦なく照りつける中、メンバーは汗だくとなって約10分のステージを2回にわたって披露しました。

初めてBTを見る観客は、次々に披露されるアクロバットに興奮気味でした
大舌さんは、子供連れの人から「本当にすごくよかったです」と声をかけられ「うれしかった」と顔をほころばせていました。また、「BLUE TOKYOを知っていただけてうれしいですし、男子新体操というものがどういうもので、本当に素晴らしい技を持った人たちだということを知っていただけるきっかけになれたらいいなと思います」とも話していました。


BTのダイナミックなアクロバットを初めて見る人たちは盛んに感嘆の声を上げていました
イベントは、日本イタリア国交樹立150周年を記念して昨年初めて開催され、今年は2回目。主催した在日イタリア商工会議所(東京・三田)によると、今年は3年後に迫った「東京五輪・パラリンピック」を視野に入れた「スポーツ」もテーマに加え、「おいしい、楽しい、美しいだけでないイタリア」をスポーツを通して伝えるのがねらいだったそう。となると、BTにはぴったりの舞台だったのではないでしょうか。

「イタリア・アモーレ・ミオ2017」はメイドインイタリアのファションから車、食、アートを集めた一大イタリア祭です
なにしろBTは、昨年のリオ五輪閉会式で、光るフレームを駆使しながらアクロバティックな中にも和の動きを取り入れたダンスで空間を彩り、世界中を魅了した青森大学男子新体操部のOBで作るグループなのですから。(写真はすべて田中幸美)