横浜美術館(横浜市西区みなとみらい)をメイン会場に開催されている現代アートの祭典「ヨコハマトリエンナーレ2017」を町全体で盛り上げようと、市内を流れる大岡川周辺や横浜の臨海部の水辺を舞台にアート作品が展示されています。週末には船に乗ってこれらの作品群を鑑賞する「アートクルーズ」も開催され、好評を得ています。

大岡川からスタートするクルーズはやがて横浜港へと至り、シンボルであるみなとみらいの景色も海上からみることができます=14日、横浜市西区 (写真・田中幸美)
この屋外展示型プログラムは、「Creative Waterway-川と海でつなぐ創造の拠点」というタイトルで、11月5日(日)まで開催されます。
港町・横浜には臨海部を中心に歴史的建造物や倉庫などが立ち並ぶことから、そうした空間を有効活用して、創作活動を後押ししようと横浜市では「BankART Studio NYK」をはじめ、「象の鼻テラス」や「YCC ヨコハマ創造都市センター」など6つの拠点を整備しています。水辺のアートは、こうした拠点をつなぐように分布しています。

「象の鼻パーク」に到着したクルーズ船
そんな中、陸上から水辺の作品を楽しむだけでなく、水上から楽しむアートとして、船上での演劇体験や展示作品が鑑賞できるアートクルーズが人気となっています。

護岸に展示されている作品
大岡川にかかる橋や護岸には、約15の作品が展示されています。

まるで橋の上に浮かぶように設置されたオブジェ
たとえば、旭橋の側面には台湾のアーティスト、キャンディー・バードが韓国出身のユ・ソンジュンの小説をもとに描き上げたグラフィティが展示されています。テーマは、「移動する人」。「昨日も今日も、そして明日も仮面をつけ続ける毎日だわ」など、グラフィッティの横にはユニークな吹き出しが踊ります。

旭橋の側面に設置されたキャンディー・バードとユ・ソンジュンのコラボレーション作品
また、太田橋の裏にはスピーカーが設置されていて、橋をくぐる際に合唱が聞こえてきます。フィンランド・ヘルシンキを拠点に活動する2人組のアーティストが生み出したプロジェクト「不満の合唱団」の横浜・黄金町版で、不平不満を地元小学校の子供たちや父母が明るく高らかに歌い上げています。

橋の真下に設置されたスピーカーから流れる「不満の合唱団 in 横浜黄金町」は、耳を傾けるアート作品
さらに、「BankART Studio NYK」では、モンスーン亜熱帯地方の川岸の様相を呈しています。屋形船が行き交い、高層ビル群に取り囲まれる建物の一角に、いないはずのゾウが出現し、古びた青いバスが止まり不思議な光景が広がります。

BankART Studio NYKの川岸側には古びたバスが展示されています
水辺を楽しめる季節もあとわずか。横浜の水辺を、ぜひ、水上から、陸上から、楽しんでみてはいかがでしょうか。(写真はすべて田中幸美)
◆プログラムやアートクルーズの詳細は、http://creative-waterway.net/