12月に入ると、京都では師走の風物詩と呼ばれる行事がたくさん行われます。
平地にも雪が降るとされる二十四節気の一つ、大雪の7日には、そんな行事のひとつ、大根を食べて無病息災を祈る「大根炊き」が京都市上京区の大報恩寺(千本釈迦堂)で行われました。このあたりは西陣と呼ばれる地域です。

大根炊きは、修行中のお釈迦さまが悪魔の妨害や誘惑に屈することなく12月8日に悟りを開いたことにあやかった法要「成道会」にちなんだ行事だそうです。

鎌倉時代、このお寺の三代目の僧侶が成道会にあやかろうと、大根の切り口に梵字を書いて参拝者の魔よけとし、魔よけの大根をほかの大根と一緒に炊きあげて、参拝者に振る舞ったのがはじまりとされています。大根には、お釈迦さまの名前を意味する「ハク」という梵語が書かれているそうです。

国宝の本堂前では、直径1メートルもある大鍋5つが並べられ、僧侶が厄除け祈願した大根が油揚げといっしょに次々と煮込まれていきました。使った大根は5000本、1万食分が用意されました。

訪れた人たちは、柔らかく煮込まれて出汁がよくきいた大きな大根をほくほくしながらほおばっていました。一つのお椀には大根3つと油揚げ1枚が入っています。

大報恩寺の大根炊きは8日も行われ、1杯1000円となります。

また、京都市右京区の了徳寺では9日と10日の2日間、左京区の妙満寺では9日に大根炊きが行われます。(写真・文 田中幸美)
◆了徳寺(京都市右京区鳴滝本町83)の大根炊は、9日と10日の午前9時~午後4時、志納券1000円で、妙満寺(京都市左京区岩倉幡枝91)の大根だきは、9日午前11時~午後2時、志納券1000円。