この時期、京都の三十三間堂(京都市東山区)では「通し矢」と呼ばれる弓道の「大的全国大会」が開かれます。晴れ着姿の新成人がズラッと1列に並んで一斉に矢を射る華やかなシーンは、新春の風物詩になっています。しかし、今年は新型コロナの影響のために中止になりました。

昨年の大的全国大会、通称「通し矢」。大勢の新成人が晴れ着姿で参加しました=2020年1月12日、京都市東山区の三十三間堂
その代わりとして17日に、約10人の新成人代表による「弓道上達祈願奉射」が行われました。

弓道上達祈願奉射で、矢を射る新成人の女性=京都市東山区の三十三間堂
全国大的大会では約60メートル先に置かれた直径1メートルの大的を狙いますが、この日は距離を28メートルと半分に縮め、的も直径36センチと小ぶりなものにしました。そして、晴れ着姿の代表計10人が2度ずつ射ました。
大谷大学文学部2年の田中楓さん(20)は「この場で矢を引きたかった人は全国にたくさんいると思います。心を込めてその人たちの分も引きました」と話していました。

弓道上達祈願奉射は妙法院の杉谷門主らが見守るなか、行われました
弓道上達祈願奉射の前には法要が行われました。三十三間堂の本坊となる妙法院の杉谷義純門主(住職)が「仏教では過ぎ去ったことを振り返っても仕方ない、また未来をあれこれ考えても意味がない。今この一時を大事に生きることが大切です。そしてコロナで大変な時に先に進むことができるかが人生の分かれ目になります。素晴らしい一時にしていただきたい」と話していました。

弓道上達祈願奉射の前に行われた法要
また、この日は「楊枝(やなぎ)のお加持」と呼ばれる修法が行われました。7日間祈願した浄水を霊木である楊枝の小枝に付けて杉谷門主らが参拝者の頭上にそそぎ、無病息災・厄除開運のご利益を受けるものです。頭痛平癒にもきくということで、参拝者が次々に頭に浄水を振りかけてもらっていました。例年ならお加持を受ける行列がお堂に沿って長く続きますが、この日は行列などはできませんでした。

楊枝のお加持で、参拝者の頭に浄水を降り注ぐ杉谷義純門主