毬矢まりえさんと森山恵さんが再翻訳した「源氏物語」。表紙の絵柄にグスタフ・クリムトの「接吻」を用い、時空を超えたイメージに

ウェイリーの名訳「源氏物語」を日本語に カタカナ多用、不思議な世界

BOOK, CULTURE

 今から約100年前、英国の東洋学者、アーサー・ウェイリー(1889~1966年)が英訳した紫式部の「源氏物語」(1008年成立)は、長編小説の傑作として世界に知られる。芸術性の高さで名高いウェイリー訳を、再び日本語に訳し戻したユニークな『源氏物語』が刊行中だ。異文化をくぐりぬけた再翻訳本が、源氏物語の新しい楽しみを提示している。(永井優子)

 ■覆す固定観念

 ウェイリー訳『源氏物語』の日本語訳を手がけているのは、俳人の毬矢まりえさん、詩人の森山恵さん姉妹。全4巻(左右社刊)で、昨年12月に第1巻を刊行、6月中に2巻が出る。

 1925(大正14)年にウェイリーが『ザ・テイル・オブ・ゲンジ』第1部を英米両国で刊行するやいなや、英小説家のヴァージニア・ウルフら書評家たちの絶賛を浴び、仏語、オランダ語などにも重訳された。

 毬矢さんは、「100年前のヨーロッパ文化をくぐり抜けたウェイリー訳を、現代日本によみがえらせることで、日本人が抱く『源氏物語』の固定化したイメージを揺り動かすことができるのでは」と話す。《いつの時代のことでしたか、あるエンペラーの宮廷での物語でございます》

 冒頭からカタカナが登場し、主人公・光源氏の父、桐壺帝は「帝」ではなく、英文通り「エンペラー」と訳される。「ローマのジュリアス・シーザーやフランスのナポレオンなどもエンペラー。重層的なイメージにしたかった」と森山さん。

続きは、https://www.sankei.com/life/news/180516/lif1805160...


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