プラネタ社では約5年前、シチリア島北部のワイナリー〈カーポ・ミラッツォ〉で、ローマ時代にユリウス・カエサルが愛飲したとされる赤ワイン「マメルティーノ」を復活させました。
カエサルの飲んだワインとの味の違いを尋ねたところ、「ブドウの品種も醸造方法も異なるので、全く味わいは異なるでしょう。でも、(カエサルの飲んだワインと)同じ土地でワインを造ることに意味があるのです。私のワイン哲学は“美しい場所でワインを造る”。つまり、素晴らしい自然環境でこそ、本当においしいワインが生まれるのです。ここは三方を海に囲まれ、天国のように美しいですよ」と熱く語ってくれました。
カエサルは、闘いの前に戦士たちを鼓舞するため、また、エネルギー源としてこのワインを飲ませたそう。アレッシオさんは「今で言えば、レッドブルですかね」と笑います。
日本人の20~30代の女性にオススメのプラネタ社のワインは、ロゼと赤のチェラズオーロ・ディ・ヴィットリア。「イタリアで春を感じるワインといえば、ロゼ。淡い華やかな色のロゼは近年、世界的ブームを巻き起こしています。私たちのロゼは、イチゴのアロマが特徴で、フレッシュで、エレガントでセクシー」とアレッシオさん。
合わせる料理は、アランチーノ(ライスコロッケ)や野菜のグリル、野菜の煮込み、サラダなど。でも、とてもアロマティックなので食前酒としても良いとのことです。
チェラズオーロ・ディ・ヴィットリアは、シチリアで唯一の最高ランクD.O.C.G.の格付けをもつワイン。土着品種のネロ・ダーヴォラ(60%)とフラッパート(40%)で造られています。
華やかでフルーティー、タンニンもソフトなので、親しみやすい味わいのワインで、グラスに注ぐとまず、イチゴやチェリーのかわいらしい甘い香りがするそう。アレッシオさんは「トマトベースのパスタやピッツァ、野菜との相性がよく、魚料理(特にエビやマグロ)には、ちょっと温度を低めにして合わせるといいですよ」と説明してくれました。
最後に、日本人へ、ワインとの付き合い方について、アドバイスをもらいました。「ワインは人生を豊かにしてくれます。人と人をつなげるのは、スマートフォンではなく、一杯のグラスワインです」。