メトロポリターナ編集部の自称「カメラ女子」がマイ一眼レフを手に、ベテラン写真家・しょうめい先生に弟子入りし、撮影技術を学ぶ体当たり連載。第2回のテーマは、写真の明るさを決める「露出」です。初心者には手ごわい印象ですが、巧(うま)く調節できるようになれば強すぎる日差しを抑えたり、暗い室内を明るくしたりと自由自在!前回に続き、桜を撮りながら、”光の芸術”ともいえる写真の世界にまた一歩足を踏み入れました。
撮りたいものを明るく、写真の表情豊かに
カメラには電源やシャッター以外にも、いろいろな設定ボタンがありますね。一つ一つ覚えるのは一苦労なので、初心者にありがたいのが、自動でカメラがほどよい明るさなどを決めてくれる「オート」設定。機械に弱いわたしは一眼レフ購入以来、「設定をいじって、元に戻らなくなったら大変!」と”オート信者”(笑)で通してきました。
でも、桜を撮影していて、しょうめい先生から勧められたのが露出をマニュアル(手動)で調節することです。露出とはレンズから取り込んだ被写体の光を、フィルムの感光材に相当する「撮像素子」に当てること。設定によって光の量を調節し、写真の明るさをコントロールすることができます。
撮影日は気持ちの良い春の日差しの中、美しい景色にレンズを向けシャッターを切っていましたが、徐々に日に陰りが…写真も少し暗めの印象になり、せっかくの鮮やかなピンク色の花がもったいないな~、と思っていました。

そこで、しょうめい先生からアドバイス「シーンに合わせて、適切な露出を設定できると、写真の表情が豊かになるよ。オートは画面全体の明るさを適切に設定してくれるけど、対象ごとの強弱がつかず、のっぺりした写真になってしまいがち。桜のように撮りたいものを際立たせるには、その対象の明るさを基準にマニュアルで露出を変えてみよう」。

まだ、設定方法が分からないので、しょうめい先生にカメラを預け、露出を上げて(=光の量を増やして)もらうと桜の明るさが引き立ち、液晶画面でもハッキリとわかるくらい鮮やかになりました。

桜は一つの花が小さく、”群れ”で見せる対象のため、写真全体に占める割合を増やすほど露出設定の重要さを感じます。
今回は露出を上げることで桜を引き立てましたが、雨の日の少し暗めの感じを出したい場合などは光量を抑えると効果的になることもあります。
「露出はテーマを引き立てるために、構図と同じくらい基本的で大切なポイント」としょうめい先生。前回学んだように、「まず何を見せたいのか、それを引き立てるためにどう処理したら効果的なのか」を意識しながら、露出設定をいろいろと試してみようと思いました。

ただ、マニュアルで設定するにはF値(絞り値)、ISO感度、シャッタースピードなど難解な言葉が並び、聞くだけで心が折れそう。この連載で一つずつ学び、光を操ることができるワンランク上のカメラ女子を目指そうと思います!


しょうめい先生 新聞社で報道写真を撮り続けて40年以上のベテランカメラマン。ライフワークとして鎌倉の景色を撮り続けるほか、某大学芸術学部の写真学科で講師も務める。鎌倉ドローン協会の理事の肩書きを持ち、最新の撮影グッズにも精通している。
Illustration:Nozomi Yuasa
※隔週水曜掲載