手間を惜しまず丁寧に作られたフランス料理を味わわせてくれるレストラン「カトラ」。この少しユニークな店名はシェフ 加藤晃(かとう あきら)氏の名前の3文字をカタカナにしたものです。自分の名前を店名にするというと、シェフの自己顕示欲のようなものを感じるかもしれませんが、加藤シェフの料理を食べて過度な自己主張を感じることはありません。むしろ、カトラは東京で美味しいフランス料理を味わえる最も控えめな場所かもしれません。
加藤シェフが「決してミシュランの星をもらえるような斬新なフレンチが食べられるしゃれた店ではありません」と言う、8席だけの小さなレストラン(ビストロではない!)があるのは、東京メトロ有楽町線・新富町駅近くの中央区入船2丁目。昼も夜も人通りの少ない静かなエリアです。
「料理人になれば食うことに困らないはず」と考えた加藤シェフが最初に就職したのは帝国ホテル。その後、パリの3つ星「ルカ・キャルトン」や1つ星「ルイトレーズ」でも働いた経歴を持つのですが、自慢することはありません。代わりに言うのは「焦らずに、時間がかかっても全て自分の手で仕込んだ料理を食べてもらいたい」という極めて基本的なことです。加藤シェフは毎朝6時半に働き始め、パンの焼き上がるのが午後12時半。このため、営業はディナーだけになります。
「昔ながらの普通のフランス料理にこだわっていきたいんです」と語る加藤シェフの料理を味わうためにカトラに集まるのは本物のフランス料理を知っている人々。「手を抜くと必ずバレるから」と職人気質というか、チョッとした恐怖心のようなものに囚われながら加藤シェフは時間をかけて料理の仕込みを行っています。

サーモンのコンフィと焼き茄子と広島の穴子のテリーヌシェフ ©Akira Kato
カトラ
中央区入船2-9-4 イリフネビル 1F
03-3552-3377
http://www.eatpia.com/restaurant/catora-irifune-fr...