すっかり夜遊びをしなくなりました。年齢のせいかもしれないけど、どうも周りの20代、30代もそうみたい。人気クラブがクローズしたり、六本木も夜は外国人観光客率高しで、夜に行きたい街がなくなってきているように感じてました。
そんな折、たまたま打ち合わせの流れで、友人と久々に夜の銀座に行きました。21時過ぎでも煌々と光り輝くGINZA SIX6階のTSUTAYAで待ち合わせ。ここは22時半までスタバでお茶も飲めて、本も読み放題。日中忙しくてゆっくり見られない展示も、夜なら時間を気にしないで見ることができます。同じフロアにある「銀座大食堂」のカウンターで夜パフェをしていると、本通りに面したテラス席からは、OLやサラリーマングループの笑い声が。周りは会社の愚痴を喋る女子グループで満席。ここは銀座6丁目。
昔話になって恐縮ですが、大学時代リクルートでバイトをしていた私にとって、銀座はホームタウン。当時の銀座は、昼は4丁目のデパートに来る上品なマダムの街、夜は8丁目の高級なクラブに集まるおじさんの街でした。豪奢な着物を着こなした“夜の蝶”たちの襟足から立ち上る香水の匂いが、当時の思い出です。
そこからすっかり様変わりして、今の銀座には若い世代が集まっています。GINZA SIXから出ると、女子たちが本通りを横断してまっすぐ向かって行く流れがありました。なんとなくその人の波に乗って歩いて行くと、そこはコリドー街。2014年あたりから、ここはすっかり公開ナンパスポットとして認知されています。その日は金曜日。本当にびっくりするくらいの男女が入り乱れております。通りには立ち飲みバーが並び、2、3人単位で歩く女性たちに、声をかけまくるナンパ男子たち。トライ&エラーで、次から次へ、キャッチ&リリース。まるで鮎のヤナ漁です(笑)。明らかに東京で1番のナンパスポットです。
4、5年前に比べて、変わったなと思うのは、低年齢化と外国人客の流入。元はサラリーマン&OLの憩いの場、コリドー街ですが、いわゆるオフホワイト感満載のストリート系男子もいたり、女子もハイブランドを持ったタイプというより、学生レベルも混じっているようで、かつての銀座の光景とは違っています。会社帰りというよりも、バイト帰り。ここを目指してきている人たちも多いようです。真ん中にあるオープンカフェに場所を陣取り、女子を1巡、2巡とさせているツワモノ男子までいます。すぎょい。しかも、じっくり飲まずに、ここではほんのちょい飲み。座って何時間も飲むというより、30分単位の立ち飲みで入れ替わり立ち替わり。この気軽さがよいのでしょう。マッチングアプリ全盛期ではあるものの、やっぱり会ったときの当たり外れや怖さもあるし、基本のフェイスtoフェイス、アナログなナンパに戻ってきているのかもしれません。
ここからの流れで、「東京ミッドタウン日比谷」に行くと、日比谷公園に面した6階テラスはいい感じに暗くて、眺めも最高でカップルに丁度いいお忍び感満載です。下にはシネコンもあるので、こちらもデートコースとして絶好の立地。今年銀座一丁目には「PLUSTOKYO」というクラブもオープンして、夜の銀座の若年化は、新たな市場をつくっているのでした。
THIS MONTH'S CODE
#コリドー街
銀座6丁目の泰明小学校の角から、8丁目の新橋の入り口あたりまでJR高架下の通り。「RIB HOUSE OCEAN HOUSE」のオープンテラスには常に人だかりが。
#鮎のヤナ漁
川底に竹で編んだ足場を組み、上がってきた鮎を手づかみで捕まえる漁。爽やかですね。
#ちょい飲み
座って1、2時間飲む居酒屋よりも、立ち飲み2、3杯で仕上げるちょい飲みが人気。最近ではちょい飲みできるスーパーも。