illustration: Shogo Sekine

#令和ギャル復活か?《東京#CODE》


 「ギャルに憧れます」。先日、19歳女子にインタビューをしていたときです。古着をおしゃれに着こなす彼女から、まさかの発言。「え?でも全然ギャルっぽくないよね? 」と言うと、「ギャルたちの“うちら最高”感、ヤバくないですか?」と。

 事実今年の5月、あの伝説のギャル雑誌『egg』が復刊しました。1995年に創刊された『egg』は、まさに当時のギャルブームの生みの親。ルーズソックス、ガングロ、《アルバローザ》、厚底ブーツなど、SHIBUYA109をメッカに、数々のブームを生み出した雑誌です。去年の10月には、モデルの水原希子ちゃんが靴ブランドの《エスペランサ》とコラボして厚底ブーツを復活させたり、一部の高校生の間ではルーズソックスがまた流行していたり。確かにここ最近、再燃感があります。また、90年代から2000年代にかけて原宿系で人気だった《スーパーラヴァーズ》が今年復活。とにかく当時のアイテムが続々とリバイバルしている状況です。

 平成ギャルと令和ギャル。その決定的な差はSNSの存在です。平成時代、情報発信源はやっぱり雑誌でした。『egg』、『Popteen』、『S Cawaii ! 』など雑誌がブームを牽引していましたが、今はその中心はインスタやTikTokへ。情報も“秒”単位で伝わり、プリクラよりもアプリの「SODA」が人気。金髪&巻き髪&カラコンのセットで、ギャルTikTokerも増殖中です。

 ロゴがリニューアルしたSHIBUYA109も韓国ブランドを入れたり、インスタ映えする食フロアが拡大したりと、まさに今どきのギャルマインドの女の子であふれています。

 また一方で、最近イケている男子に聞くと、3人に一人は「彼女にするならギャルがいい」と言います。男子受けする女子といえば、か弱くて可愛いモテ系の女子と思っていたら、「可愛い系女子は男がリードしなくちゃいけないじゃないですか、ギャルならぐいぐい引っ張ってくれるからいいんですよ」と。

 つまり、男女ともに言っているのが「ギャル最強」ということです。ファッションの強め感だけでなく、藤田ニコルちゃんみたいに、タメ口で上からくる最強感。女子にとっては「ずっと周囲を気遣って空気読みがちだったんだけど、そういうのなしで強気でいけるギャルに憧れる」ということみたいです。

 無難に空気読む女子。これって夏人気だったドラマ『凪のお暇』に出てくる主人公、凪ちゃんみたいです。そういう空気読む時代から、「自分のやりたいことはやる」、「好きなものは好きと言う」、「空気読まない」というのが令和ギャルの特徴のようです。また、雑誌ではなくインスタで広がるので、流行の移り変わりも速いし、平成ギャルは流行が一極集中しがちだったのに比べて、令和ギャルはそれぞれが個性的。肌の色も人それぞれ。ダイバーシティ時代のギャルというわけです。

 男子から見ても、なんでも従順な女の子より、意思をしっかりもった女子の方が頼れちゃうからいい。男女の逆転も令和ならではなんですね。強気で男女のモヤモヤとかを吹っ飛ばす存在。忖度だらけのこの世の中のギャルって実は、いろんなジェンダーギャップをやすやすと超えちゃう、水戸黄門の印籠みたいに「どや!」って言えちゃう存在なのかもしれません。

THIS MONTH'S CODE

#『egg』が復刊

 新編集長は就任当時21歳。平成当時の『egg』読者は現在ママ世代。今の中高校生はママの影響でギャルになっていたりする。

#スーパーラヴァーズ

 原宿のストリートファッションを席巻したブランド。ハートやパンダをモチーフにしたポップなアイコンが人気だった。

#SODA

 いま写真加工で女子人気がとても高いアプリ。人気の「SNOW」を提供している会社によるアプリだけあって、盛り方のバランスが今っぽく、ナチュラル盛りが静止画でも動画でもできるということで話題。






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