illustration: Shogo Sekine text: 軍地彩弓

#〇〇やめてみたの驚くべき効果って?《東京#CODE》


 今年の夏は記憶に残る夏でしたね。はじめて海に行かなかった夏。山にも行けなかった夏。プールに行けなかった夏。お盆でお墓参りができなかった夏。盆踊りができなかった夏。本当に今年はできなかったことばかりで、その分おうち時間が増えました。おうち時間が増えることで、生活をいろいろ見直すきっかけになったことは以前もこのコラムで書きました。そんななか、売れている本があります。わたなべぽんさんの「やめてみた。」シリーズです。第三弾まで発売され、このコロナ禍の時期に売れに売れて累計30万部!内容は普段なんとなく使っていたものが、本当に必要だったのかな?と立ち止まって考えて、思い切って不要なものはいったんやめてみる、というもの。第一弾でわたなべさんが「やめてみた」のは、炊飯器、テレビ、掃除機、ゴミ箱、メイク、服、コンビニなどなど。もう、ぶんぶん頭を振りながら。うなずきまくってしまうのです。

 私も、この時期に怒涛の引越しで炊飯器をやめて、ストウブの鍋でご飯を炊いております。もう、当たり前にドーンと台所に鎮座していた炊飯器がなくなるとすっきり! そして、炊き立てのご飯はもちもち美味しくて、いいことだらけ。また、掃除機をルンバに変えたら、外出している間にお掃除を済ませてくれて、可愛くてたまらない。『VERY』9月号でも読者の「○○やめてみました」を特集。きっちりメイク、ネイルサロン、ジム通い、プチプラファッション、ママ友ランチ、衝動買い、クリーニングなど。みんないろんな「やめてみた」があるようです。

 「やめてみた」はモノや習慣だけじゃなくて、心や人間関係にも及びます。先ほどのわたなべぽんさんの本の中でも、もやもや人間関係、お詫び、「充実させなきゃ」と思う気持ちなど、知らず知らず自分の中で決まり事みたいにしていたことから解放されて随分楽になったとあります。私が減らしたのは、仕事の会食です。都の要請もあってやめざるを得なかった面もあるけど、ご飯はやっぱり好きな人としたいもの。無理に話題を探すような会食がなくなって、ちょっと気持ちが楽になりました。そうなると、会う人は本当に好きな人だけになるので、苦手な人には自然と会わなくなります。また、外出しているときにばったり出会う人も、好きな人だけになって、面白いですね。いい連鎖が起きて、勝手に人間関係の断捨離ができちゃうみたい。

 その第一弾の巻末には「自分の好きなもの使いやすいもの暮らしやすいものはなんなのかじっくり考えて選ぶようにしたら自分の意見を尊重できるようになった」とあります。そう、捨てることは、自分にとって大切なものを選別すること。そこで選んだものたちは愛おしくて、これから長くずっと相棒にしていきたいものたち。また捨てられないものとは何か?を考える時期でもありました。長く生きているうちに固まってしまった自分の考え方、理由なきこだわりやしがらみを捨てる勇気で、部屋も身も心もずっと身軽になること。いろいろやめてみると、どんどん新しいものが入ってきます。古い食器を捨てて、新しい骨董を買ってみる。新しい服を買ってみる。新しい集まりに出かけてみて、新しい人間関係も生まれたり。「やめてみた」はいいことばかり。

 さて、あなたはコロナ禍をきっかけに何をやめましたか?


THIS MONTH'S CODE

#「やめてみた。」シリーズ

第一弾は『やめてみた。本当に必要なものが見えてくる暮らし方・考え方』(わたなべぽん著/幻冬舎刊)。第二弾、第三弾もあわせて大人気。共感すること請け合いです。

#『VERY』9月号

こちらにも読者やインフルエンサーの「やめました」エピソードがたくさん。この号のタイトルは「9月リスタートのための、きれいめ服プラン」。そう、リスタートです!





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