Y2Kという言葉、知っていますか?Year 2000、つまり2000年前後のことを指す言葉です。その頃、皆さんはなにをしていましたか? まだ生まれていない人もいるかもですね。いやあ〜、私にとってはついさっき、な感覚。いまは2021年。もう21世紀になってから20年以上。この2000年頃のファッションが最近世界的に流行っている、ということなのです。ちょっと前までは90年代が来ている!とか、Netflixドラマ『ストレンジャー・シングス』では80年代が流行ったりと、とにかく過去の〇〇年代リバイバルが話題になりやすいのですが、いまは2000年が熱い、というわけです。
では私たちの2000年前後は、実際にどんな時代だったのでしょう?ファッション雑誌の編集者の私は当時、ブリトニー・スピアーズやパリス・ヒルトンなど、海外でセレブの取材をしておりました。ファッションもLAカジュアルと言われるへそだしルックや、ローライズボトムや、ミニスカに厚底ロングブーツなどが懐かしい。なんとそれがいまリバイバルしているのです。先日の2022春夏コレクションの《ミュウミュウ》ではクロップドトップスに、ローライズミニが登場。おへそを出しているスタイルはまさにブリちゃん!またはt.A.T.u.!秋冬ファッションで言えば、カレッジ風のニットや、アーガイルやチェッカー柄のニット、BTSも着ていたチルデン風のライン入りニットも売れ筋に。女子で言えば、やはりロングブーツやサイドゴアブーツが流行の兆し。ミニ丈スカートも結構見かけます。もう冬突入なのに、おなかを出している子も。
友人のスタイリスト(40代)が先日ヴィンテージショップで見つけた《クロエ》のパイソン柄ローライズパンツをはいていました。「懐かしいでしょ‼」。お互いその頃から一緒に仕事をしている仲なので、当時流行のブランドはもちろん、だいたい分かります。そして、自分たちのクローゼットにもその頃のアイテムがまだ眠っています。つまり、40、50代前後の親の子供=いま10代、20代の世代が、その“Y2K”のママ古着を着ている現象もあるのです。家庭内ヴィンテージファッション、かっこいい。Z世代にとって2000年の服はママのお下がり。それをおしゃれに着こなすのが最高にクールなのです。
最近、ますます古着ショップが増えている場所もあるようです。古着探しはただ安いものを見つけるだけではなく、過去のイケているデザインの発掘の旅。もちろんほぼ一点ものなので、どこでもいつでも同質なものを買えるファストファッションとは真逆です。おしゃれ番長、菅田将暉くんも過去のデザイナーものを探しているそうです。
9月にはiPhone13が発売になりましたが、最近はリサイクルショップであえて過去の世代を探す人もいるとか。たとえばホームボタンがあった8がいいよね、とか。もちろん車だって、過去の年式の価値があったりするのも同様のことでしょう。
以前にも増して、「新しい」だけがかっこいい時代ではありません。とくにコロナ禍で世界が立ち止まり、時系列ではなく、自分の感性でいいものを選ぶようになったと思うのです。この傾向は若い世代により顕著です。
このY2Kブーム、40過ぎた実体験世代にとっては、自分リバイバルはちょっと考えないと、結構痛い目にあいますので要注意です♡
THIS MONTH'S CODE
#ブリトニー・スピアーズ
「…Baby One More Time」(1998年)のミュージックビデオで着ていたへそ出しミニスカJKルックが話題に。現在はイケメンな二人の息子ともども注目を集める!
#パリス・ヒルトン
元祖お騒がせセレブは、Netflixの料理番組『パリスとお料理』で最近も健在!
#t.A.T.u.
チェックのミニといえば、ロシア発のこの二人、タトゥー。その昔、Mステの生放送をドタキャンしたことを、先日タモリさんが番組で話していましたね。