コーヒーpapaのおいしい話②

コラム

 仕事をしながら、「いつか独立してみたい」と考える人は少なくありません。好きだからやるのか、お金を儲けたいからやるのか、人によってさまざまです。

 カフェ(喫茶に比べ食の比率が高い業態)などは、外から見ると「できそうに思えてしまう」ところに、落とし穴があります。自分の好きなことが分かっていれば、あとは、「そのスキルをどのように磨けばよいのか」「どうやって起業すればよいのか」の2点を計画するだけです。今は、お金が余っていますので、創業計画(店のコンセプトや収支計画)がしっかりしていれば、日本政策金融公庫からもお金を借りやすいです。実際、開業のハードルは下がっています。

 しかし、私が開業の相談を受けると、大部分の人々は、このプランニングが苦手で、容易に実行できません。「まじめに、一生懸命やればなんとかなる」という時代は30年前に終わっていますし、インフルエンサーのような人はそう多くはいません。

 デフレの時代(日本は1991年のバブル崩壊以降、低成長期)には、日本経済やマーケティングに対する知識も重要になっています。もっというなら、経営者になる覚悟(継続する責任)も必要です。冷静に考えてみると、ハードルは結構、高いのです。ですから、カフェの賞味期限は3年(開業しても3年以内に多くは閉店してしまう)といわれますし、3年以上維持できれば立派なわけです。

 私は開業セミナー(抽出、テースティングセミナーなども含め)を15年間、やってきました。でも、多くの場合は、最終的にはリスクを全て説明したうえで「やめた方がいいですよ」とアドバイスする“断念セミナー”のようなものでした。とはいえ、思い立ったら諦められない人もいますので、それでも「やる」という強い意志のある人に対しては支援を行ってきました。

 今年6月13日から15日まで、江東区にある国際展示場のビックサイトで「カフェショー2018」があり、堀口理論(過去20年以上の開業支援の経験値)について講演しますので、興味のある方はどうぞ。

セミナーで、参加者にコーヒーについて教える堀口俊英氏(中央)


 ある時、私が通っていた青山のアロマトリートメント(エステ業界ではマッサージという言葉は使用しない)の女性オーナーから、「エステシャンはみんな“専門家”なのに、開業の仕方が分からないのよ」と相談を受けました。「それなら、君がエステサロンの開き方を教えればいいじゃないか。ノウハウあるでしょ」ということで、彼女は現在、開業の方法から運営ノウハウ、重要な接客まで教えています。

 起業で、最も大切なことは、的確なアドバイスをしてくれるよいコーチを見つけることでしょう。ここが一番難しいところなのですが、信頼に足る人との出会いこそが重要に感じます。多くの方々の開業に立ち会い、さまざまな人たちの、人生の転機を見てきましたので、今後お話ししていきますね。

 私は、コーヒーが好きでこの仕事を始めましたが、味を追求することで、よりコーヒーの深みに入り込みました。コーヒーが趣味となり、次第にコーヒーの仕事も趣味になってしまいました。

 コーヒーの風味を決めるのは、農作物(熱帯の珈琲樹の実の種)である生豆の品質です。品質という観点から見れば、日本で流通するコーヒーはピンキリです。このことは、カカオや紅茶などの嗜好品やレストランの料理にも当てはまります。

コーヒーの樹チェリー


 モノのおいしさというのは、主観的な感覚要因が多くありますが、品質は客観的な要因です。このように、嗜好品や料理を見ていくと、おいしさの原点が品質にあるということに気づくはずです。ですから、消費者は自分でその風味を判断できる味覚を持つことが大切です。そうすれば、“おいしさの世界”は格段に広がります。そのためには、知識も体験も必要になりますので、味覚は教養につながっていきます。



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