子どものころ、誰もが手にしたことがあるクレパス。クレヨンとパステルをもとに開発された日本独自の描画材料として、のびやかで発色が良いのが特徴です。色を混ぜたり、塗り重ねたりするだけでなく、ひっかくなど表現に優れた画材でもあります。そのため油絵具の入手が難しかった第二次大戦直後は、多くの画家たちに注目され、絵画表現に取り入れられるようになりました。
このたび、岡本太郎や山下清ら有名画家の作品を集めた「巨匠たちのクレパス画展 ―日本近代から現代まで―」が新宿の東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館にて開催。大正から昭和にかけて活躍した巨匠から、現代の作家の作品まで約150点を紹介しています。
「裸の大将」という名で広く知られている山下清。全国の花火大会に足を運ぶほど好きだった花火を、線のみで描く線描画で力強く表現しているのが特徴です。
山下清『花火』制作年不明 サクラアートミュージアム蔵
開催期間中は、クレパス画教室やギャラリートークなど、イベントも盛りだくさん。夏休みのお出かけにピッタリです。100人を超える作家の創造性あふれるクレパス画の競演を鑑賞し、身近な文具の新たな魅力を発見してみませんか。
巨匠たちのクレパス画展 ―日本近代から現代まで―
会期:9月9日(日)まで
休館日:月曜日(ただし、7月16日は開館、翌17日も開館)
会場:東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館(新宿区西新宿1-26-1 損保ジャパン日本興亜本社ビル42階)
開館時間:10:00から18:00(入館は17:30まで)