青山学院大学の西側を並木橋方面に抜ける道に入って少し歩いた場所にある「ラチュレ」は、大自然の中で育まれたさまざまな食材を味わえるレストラン。ここには1年を通して、多くの人々がジビエを積極的に取り入れたフランス料理とワインを楽しむために訪れます。
ジビエとは、野生の鳥獣の肉を意味するフランス語で、ヨーロッパでは伝統的に貴族の料理として、狩猟が解禁になる寒い季節に食べられてきたものです。野生の動物の肉は、脂肪が少なく引き締まり栄養価も高く、日本でも狩猟が解禁となる季節(11月15日~2月15日)には多くのレストランでジビエ料理を食べられるようになってきました、
日本では近年、野生の動物の数が増え過ぎて、田畑を荒らしたりして、農林業や自然環境に悪い影響を与えています。このため、夏でも計画的にイノシシや鹿が捕獲されています。でも、捕獲された動物の肉が食用として流通することはほとんどありません。
それらの肉を食べられる貴重な場所であるラチュレの室田シェフによると、夏には冬とは全く違うジビエの味わいを楽しめるそうです。野山では、冬になると食べるものが少なくなるため、鹿やイノシシは、春から夏にかけて栄養を蓄えるために青々とした草木を食べます。そのため、猟師の中には「鹿やイノシシの肉がうまいは夏」と断言する人も少なくありません。
考えてみれば、自然の中で食べたいものをお腹いっぱい食べて育った野生のイノシシや鹿の肉がおいしいのは当然かもしれません。

フレンチの料理人にとっては、ジビエこそ腕の見せ所。「それぞれの肉質に合わせた火入れや、ソースを用意する必要があり、面倒だけどやり甲斐があります」という室田シェフ。そして、人の都合で駆除される動物を、そのまま野山に放置しておくのではなく、「おいしく料理するのが、動物への自分にできる償いです」と語ります。

ラチュレ
渋谷区渋谷2-2-2 青山ルカビル B1F
03-6450-5297