健康にまつわるサービスや商品が集結する国内最大級の「健康博覧会」が、2月8日から3日間、東京ビックサイトで開催された。本展示で、ひときわ注目を集めていたのが“性差”にフォーカスした製品が集結する「ジェンダード・イノベーションEXPO」。フェムケアプロジェクトを進めるメトロポリターナが、公式メディアパートナーとしても参画している本イベントのレポートをお届け!
「ジェンダード・イノベーション」とは、幅広い分野に“性差分析”を取り込むことを通じて、新しい視点を見いだし、イノベーションを創出することを指す言葉。女性の健康課題を解決する、よりコアなサービスを目玉としたフェムテック商材が増えるなか、“ソーシャル(社会性)”をキーワードに掲げる企業やブランド、メディアなど、約70ものブースが登場していた。

出展者の中でも、とくに目新しさを感じたジャンルが、専門性の高い医療サービスだ。たとえば、マイクロソニック株式会社の小型の乳がん検診器「マンモエコー」。病院に行き、痛みを伴う検査が主流とされている乳がん検診を、より簡単に、遠隔でも早期発見できるようにと開発を続けている。将来的には医療機関のみならず、自治体や保険会社における導入や、一般家庭で操作ができる可能性も模索していくという。

「更年期(メノポーズ)」に関するヘルスケアアイテムも多く登場していた。加齢や出産に伴い、衰えを感じ始める骨盤底筋を鍛えるトレーニングは、尿もれといった骨盤周りのトラブルを回避するためにも、積極的にとりいれたいもの。クッションやショーツなど、さまざまな形状が生まれていることからも、ニーズの高まりを感じる。”プレ更年期”に向けて役立つサプリメントは、日常的に取りたい栄養を意識するきっかけにもなりそうだ。

編集部がとりわけ衝撃を受けたのが、男性向け妊活サポートアイテム。フェムテック市場でも大きな課題と考えられている「不妊・妊活」。これまでは女性の健康課題とばかり考えられてきたが、じつは男性のコンディションも大きく関連していることが医学的エビデンスからも明らかになっているという。男性向け妊活アイテムに掲げられていた「妊活を女性だけのものにしない」というキャッチは、まさに“性差”について考えされられるものだった。

ほかにも、膣内環境の健康を保つために産婦人科医が開発したインティメイトケア用品や、スポーツメーカーによるトレーニングツールなど、多くのブースで来場者がにぎわいを見せていた本展示。女性の健康課題を解決するには、女性のみならず、性別や年代を超えて“性差”を理解し続けていくことが重要であると気づくことができた。3月8日の国際女性デーにむけて、盛り上がりを見せるだろう国内のフェムテック市場から今後も目が離せない。
来年の開催も決定!
健康博覧会×woman's「ジェンダード・イノベーションEXPO」
2024年2月20日(火)〜22日(木)
会場:東京ビックサイト