白い馬にまたがり、八坂神社へと向かう「長刀鉾」(なぎなたほこ)の稚児

《京都》祇園祭2016 長刀鉾のお稚児さんが社参

おでかけ

 日本三大祭の一つで、夏の京都の風物詩「祇園祭」。平安時代の869年、都にはやった疫病の退散を祈って始まったと伝わります。17日の前祭(さきまつり)のハイライトとなる「山鉾巡行」(やまほこじゅんこう)が華やかでよく知られていますが、実はこの祭りは7月の1カ月間をかけてさまざまな神事が行われます。
 4日後に山鉾巡行を控えた13日、巡行の先頭を進む「長刀鉾」(なぎなたほこ)に乗る稚児(男児)が、八坂神社(京都市東山区)に参拝する「社参の儀」が行われ、巡行の無事を祈願しました。すべての山鉾のうち、長刀鉾だけに生稚児が乗ります。また、「船鉾」(ふねほこ)と放下鉾(ほうかほこ)では「曳き初め」といって一般市民や観光客なども参加することのできる試し曳きが行われました。

 この日の京都は、突然雨が降ったかと思えば晴れ間がのぞくという不安定なお天気の繰り返しでした。曇り空の下、今年の稚児を務める小学5年の粂田龍志君が、金の立烏帽子(たてえぼし)に水干姿で白馬にまたがって四条通を進むと、観光客らは足を止めて見入ったり携帯電話でさかんに写真撮影するなどしていました。

 稚児は八坂神社で、十万石の大名と同じ格式とされる「正五位少将」(しょうごいしょうしょう)の位を得る神事に臨むことから「社参の儀」は「お位もらい」とも呼ばれます。稚児は官位を授かったこの日から地面に足をつけることを許されず、強力(ごうりき)と呼ばれる屈強な男性に担がれて移動します。

白い馬にまたがり八坂神社へと向かう長刀鉾の稚児(写真・志儀駒貴)


 また、曳き初めは、組み上がった鉾を動かす行事で、12日から各山鉾ごとに行われました。女人禁制の祇園祭において、誰でも参加できる貴重な機会とあって女性や子供らが一生懸命に綱を引きました。鉾の前面に乗る音頭取りの男性2人の「エンヤラヤー」のかけ声とともに参加者全員で綱を引くと、鉾はギギギっときしむ音を立てながらゆっくりと前進しました。街中で芸を披露しながら仏法を説く「放下僧」をまつる放下鉾の曳き初めに参加した京都市の青柳友香さんは「女性や子供が鉾を曳くことのできる唯一のチャンスなので町内の人たちと一緒に参加できてうれしいです」と話していました。

船鉾の曳き初めに参加する子供たちや女性。唯一鉾を曳くことのできる機会とあって大勢の人が参加しました(写真・田中幸美)

 祇園祭の山鉾巡行は、観光振興や交通渋滞の緩和などの理由から17日に一本化されて行われていましたが、2年前の2014年から17日の前祭と24日の後祭の2回に分けて開催されています。後祭の大船鉾が150年ぶりに巡行に復帰したことなどを契機に、祇園祭の正しいしきたりとあり方を次世代に伝えようと元の姿に戻すことになりました。

鉾の上でお囃子を披露する長刀鉾保存会の人たち(写真・田中幸美)


駒形提灯にあかりがともると、グンと祭りの雰囲気が盛り上がります。写真は菊水鉾(写真・田中幸美)


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