★「手近なゴール」と「先取り貯蓄」でお金が貯まる!
ヨーコ先生:老後の生活費は、現役時代の7~8割で考えるのが一般的よ。今の支出からリタイヤ後に保険料などなくなるものを削るわけだけど、冠婚葬祭費や医療費が増えることも考えられるし、今後インフレが進む可能性もあるわ。ひよ子ちゃんがいつマイホームをゲットするかとか、結婚するか出産するかとか、今後のライフスタイルによっても大きく変わるから、「いくらあれば十分か」を見積もることは、実はあまり意味があることではないのよ。
ひよ子 :結婚も出産もしたいし、夢のマイホームもほしい…! でも、お金のかかる話がたくさん出てきて、先生…なんだか私また自信がなくなってきちゃいました…。
ヨーコ先生:落ち込んでいる暇はないわよ! 男性より平均寿命が長い以上、女性は最終的に一人で生きていかなきゃいけなくなる可能性が高いのよ。だからこそ、〝自分の財産〟を作っておく必要があるし、〝自分の財産〟があれば、どんな可能性にも挑戦できるのよ。「貯められる体質」を手に入れるのよ。
ひよ子 :貯められる体質作り! なんだかダイエットみたいですね。
ヨーコ先生:ところでひよ子ちゃんは、DCでいくら積み立てているの?
ひよ子 :毎月5千円のコースにしました!
ヨーコ先生:これまでの2年間と併せて60歳になるまで34年間、もし年利2%で運用出来たとしたら、元利合わせて約291万3千円(元本204万円)になるわ。
ひよ子 :そんなになるんですか!全く知らないうちに…。
ヨーコ先生:さらにもし、2000万円を60歳までに貯めようと思ったら、毎月約5万2千円貯蓄すればいいということになるわ。
ひよ子 :月5万円の貯蓄!!厳しいなあ…。実はコツコツとおつりの残りから500円玉貯金してたんですけど、たぶん全然足りないですね。しゅん。
ヨーコ先生:すごいじゃない! もう貯蓄の習慣ができているのね。ただし、「500円ができたら貯める」では受け身の姿勢でしょ。苦しくなると「今回はパス」みたいなこともできてしまう。一歩進んで、

ひよ子 :確かに、残ったお金を貯金していると、やっている感じはあるけど、毎月いくら貯まっているか分からないし、貯められていない月もあるかも…。
ヨーコ先生:あとは、目標を「老後」にしてしまうと遠大すぎてイメージできなくて続かないから、「いつまでにいくら」とするのがいいわね。小さなゴールを重ねて、最終的に目的を達成できればいいのよ。ポイントは「手近なゴール」「先取り貯蓄」よ。
ひよ子 :なるほど!手近な目標なら、やる気も続きそうですね。
ヨーコ先生:そして、貯金箱に入れていてもお金は育たないわよ。貯めるなら、積み立てタイプの定期預金やNISA、投資信託よ。さっきの話だけど、もし年利2%で運用できると仮定したら、月4万円近くの積み立てで達成できるのよ。
ひよ子 :そんなに違うんですか!
ヨーコ先生:もちろん、投資にはリスクもあるから、今度詳しく教えてあげるわ。すでにタンス貯金をしているんだったら、まずは、月1万円の積み立て定期預金からでも始めてみたら?
ひよ子 :やってみます! 「お金の育て方」ってコツがいるんですね。
ヨーコ先生:そうね。知っていると、ちょっと将来に向けて心の余裕が生まれるわ。
ひよ子 :よぉーーっし!まずは手近な目標、クリスマスの海外旅行よ!
ヨーコ先生:出費の目標だけじゃなくて、貯金の目標も立ててね、ひよ子ちゃん!
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金融苦手系女子のための新連載。毎月第2、第4水曜掲載。お金の計算、節約が苦手なひよ子ちゃんの悩みに、ファイナンシャル・プランナーのヨーコ先生(甲斐洋子)が答えます。来月のテーマは、「消費税10%時代到来」。増税を前にパニックになるひよ子ちゃんに、ヨーコ先生がアドバイスします。はたして、ひよ子ちゃんの不安は解消されるのでしょうか。
取り上げて欲しいテーマや質問を募集しています。ご意見、ご感想なども、ぜひ編集部(question@metropolitana.jp)までお寄せください。

ひよ子:都内のメーカー勤務、素敵な男性との出会いを夢見る28歳、典型的な金融苦手系女子。ズボラなうえに数字が苦手で節約や家計簿も続かない。将来の不安に駆られてファイナンシャル・プランナー(FP)の勉強を始めたものの、挫折続き。趣味は映画鑑賞、ウィンドーショッピング、カラオケ。スイーツや流行のスポットも大好き。

ヨーコ先生(甲斐洋子):FPをめざすひよ子ちゃんの先生。フリーアナウンサー兼ファイナンシャル・プランナー(CFP®)。テレビ東京「株式ニュース」キャスターを務め、その後も経済・株式分野を中心に活動。FPとしてセミナー講師、講座の企画、執筆、個別相談なども担当している。趣味はフラメンコ、旅⾏。最近のお気に⼊りは台湾。