メトロポリターナ編集部の自称「カメラ女子」が、ベテラン写真家しょうめい先生に弟子入りし、撮影術を実践で学ぶステップアップ連載。今回は、人気フレンチ「BISTRO FAVORI(ビストロファヴォリ)代官山」にお邪魔して、SNSで人気の料理の撮り方を学びました。
陰影をつけ立体感や質感をだす
わたしは料理を撮るのが苦手で、一緒に食事する友人が一皿ごとにスマホをかざすのを見ると、「早く食べようよ」と内心毒づくぐらい…でも、グルメというより”食いしん坊”な質も手伝って、インスタで最もよく見るのはおいしそうな料理(特にスイーツに目がありません)。だから、いつか自分のお気に入りグルメを撮影して、友人に共有したい!と思っていました。そこで今回挑んだのが、なんと王道のフレンチトーストとアフタヌーンティーセット。うまく撮れればグルメ系インスタグラマーへの第一歩というところでしょうか?しょうめい先生、お願いします!
撮影は6月下旬の梅雨真っただ中でしたが、雨も降っておらず、曇りにしては光が多めの昼下がり。お店のご協力で、テラス席で撮影させていただきました。
もちろん、今回もマニュアルモードで撮影。そろそろ慣れてきましたが、不安なので念の為、カメラのシーンモードに「グルメ」があるかチェック。。
まず、お店の名物であるフレンチトーストが甘い香りとともに運ばれてきました。10時間かけて味をしみ込ませたという一皿を前に「ふんわりとしていて、おいしそう!」とテンションが上がりましたが、お皿に添えられたアイスが目に入り一気に焦りモードに。溶ける前に早く撮らないと!!
そんなわたしと対照的に、落ち着き払った先生からアドバイス。「料理撮影の基本は逆光か、(斜め後ろから光があたる)半逆光で撮ること。そうすれば陰影がでて、フレンチトーストの立体感や質感が伝わりやすくなるんだ」
逆光⁈ 誰しもが屋外の集合写真などで、「逆光だから顔が暗くなってダメだ」なんて言葉を一度は耳にしたことがあると思います。でも、料理の場合は前方からあたる順光だと、写真が平板になってしまうとのこと。だから、料理を撮ろうと思ったら、逆光をつくりだすため日当たりの良い窓際のテーブルをお願いしたり、今回のようなテラス席を予約したりして環境づくりするのも大切です。
さらに、一工夫すると、料理をより引き立てる1枚に。「逆光による影で手前が暗く落ち込みすぎないよう、ノートや白い紙などをレフ板代わりにして手前から光を補うとよりきれいに写るね」と先生。ノートなら手軽に持ち運べるし、大げさなセッティングなしで光がつくれます。アドバイスを基に、先生にノートを借りて撮った1枚。


フレンチトーストの香ばしくふんわりとした質感や、美しい盛り付けなど被写体にだいぶ助けられている気もしますが、先生からは「おいしさが伝わるような1枚になっている」と褒めていただけました!
また、先生から、おしゃれな料理写真が陥りやすい過ちへの注意点も。「ナイフやフォークなどカトラリーは、あまり気にしないこと。全てを入れようとしすぎると、料理が引き立たない。あくまでもメーンは料理なので、カトラリーは画面に入りきらなくても問題ないよ」。ナプキンとカトラリーとグラスと…と作り込んだ写真は多いですが、まずは料理をどう撮るかが重要なんですね。
これで少しは料理撮影へのアレルギーがおさまったかも…?
次回は難易度高め、でもきれいに写したいアフタヌーンティーセットの登場です。スマホと一眼レフの撮影比較もするので、お楽しみに!
ビストロファヴォリ 代官山(目黒区青葉台1-4-8)
旧山手通り沿いに建つ洋館風の外観が目印のフランス料理店。旬の野菜をふんだんに使うなど本物の食材とヘルシーなメニューにこだわり、「週に2回は食べたくなる」というテーマの料理は女性を中心に人気を呼んでいます。撮影したフレンチトーストのほか、ランチで人気のフォアグラ丼、本格的なディナーコースなど普段使いから特別なシーンにも対応する充実のラインアップは目移りすること間違いなしです。
また、テラスは愛犬と一緒に食事をすることができ、散歩コースの一休みにもお勧めです。
営業時間:11;30~15:30(休日は16:00)、18:00~22:30
TEL 03-6416-3665
※カメラ女子への激励や、しょうめい先生に教えてほしいことなどご意見・ご感想を募集します。編集部(question@metropolitana.jp)までどしどしお送りください!


しょうめい先生 新聞社で報道写真を撮り続けて40年以上のベテランカメラマン。ライフワークとして鎌倉の景色を撮り続けるほか、某大学芸術学部の写真学科で講師も務める。鎌倉ドローン協会の理事の肩書きを持ち、最新の撮影グッズにも精通している。
Illustration:Nozomi Yuasa
※隔週水曜掲載
