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Session10 備えあれば憂いなし! スマホ決済の「落とし穴」[聞いてハッピー♥マネーサロン]


★不正利用への対応にはばらつきも

きみ子  :リスクといえば、他の人にログインされちゃったりお金を使われちゃったりしないか、も心配なのよ。

ひよ子  :ペイアプリの不正利用のニュースはよく聞きますものね。ペイアプリを万一不正利用されてしまったらどうなるんでしょう?

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ヨーコ先生:対応は会社によってまちまちよ。

きみ子  :えっ、まちまちなんですか? クレジットカードみたいに原則補償してくれないの?!

ヨーコ先生:その通りよ。ただ、SMSによるフィッシング詐欺事件やペイアプリの不正利用事件が相次いだせいもあってか、徐々に補償対応する方針の会社が増えてきてはいるわ。d払いでは今年8月に規約を改定し、不正利用の被害が発生した場合「個別対応で補償」としていたのを「原則全額補償」としたわ。ペイペイやメルペイ、ラインペイでも限度額の差などはあるけれども、補償対応するとしているわ。

きみ子  :ああ、よかった。じゃあ安心ね。

ヨーコ先生:安心するのは早いわ。オリガミペイは、盗難等によるアカウントの不正利用について「当社は一切責任を負わない」と規約に明記しているし、楽天ペイも正しいIDやパスワードを用いてログインされた場合は本人による利用と見なし、責任を負わないとしているわ。

きみ子  :「責任を負わない」って言い切っちゃうのもすごいですね。

ヨーコ先生:ユーザーの責任の評価が会社によって違うようだから、規約を確認してよく吟味してサービスを選ぶのがいいわね。

ひよ子  :不正利用に対する対応は、今後ペイアプリがちゃんと普及していくかにも大きく関わりそうですよね。

ヨーコ先生:そうね。調査会社「アスマーク」によるこんなデータがあるわ。スマホ決済を利用していない20~60代の男女1000人にアンケートを採ったところ、スマホ決済を利用しない理由の1位は「セキュリティに不安を覚えたから(44.2%)」だったそうよ。スマホ決済に絶対に搭載してほしい機能については、トップが「不正利用防止機能」で62.4%、次いで「万一不正利用被害にあっても被害額を補填するサービス」(53.1%)と、「日常的なポイント還元などのお得な特典」(35.2%)よりもセキュリティを重視する声が高かったわ。

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スマホ決済非利用者にとってセキュリティ面での不安が重要な課題であることがわかった

 

きみ子  :やっぱりお得感よりも安心感が大切ってことなんですね。

ヨーコ先生:そうね。提供会社には安心して利用できるよう、誠実な対応が今後求められいくでしょう。

ひよ子  :そうですね。とはいえ、補償されるといっても、乗っ取られてしまえばアカウントや決済手段は止められちゃいますから。IDやパスワードを推測されにくいものにして、きちんと管理すること。フィッシング詐欺に十分注意することは大前提ですよね。

ヨーコ先生:ひよ子ちゃんの言う通り。お得なサービスを見極めつつうまく活用する、自分のお金を自分で守るという姿勢が大切よ。

 

◇◇◇

金融苦手系女子のための連載。お金の計算、節約が苦手なひよ子ちゃんの悩みに、ファイナンシャル・プランナーのヨーコ先生(甲斐洋子)が答えます。来月のテーマは、今年10月の電気通信事業法改正を受けて話題となっている「格安SIM」です。
職場の同僚から「格安SIMを始めたら節約になった」と聞いて興味を持つひよ子ちゃん。
節約術としての格安SIMはどのくらい使えるのか? ヨーコ先生がわかりやすく答えます。

取り上げて欲しいテーマや質問を募集しています。
ご意見、ご感想などをぜひ編集部まで、ツイッターメールでお寄せください。

 

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ひよ子:都内のメーカー勤務、素敵な男性との出会いを夢見る28歳、典型的な金融苦手系女子。ズボラなうえに数字が苦手で節約や家計簿も続かない。将来の不安に駆られてファイナンシャル・プランナー(FP)の勉強を始めたものの、挫折続き。趣味は映画鑑賞、ウィンドーショッピング、カラオケ。スイーツや流行のスポットも大好き。

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ヨーコ先生(甲斐洋子):FPをめざすひよ子ちゃんの先生。フリーアナウンサー兼ファイナンシャル・プランナー(CFP®)。テレビ東京「株式ニュース」キャスターを務め、その後も経済・株式分野を中心に活動。FPとしてセミナー講師、講座の企画、執筆、個別相談なども担当している。趣味はフラメンコ、旅⾏。最近のお気に⼊りは台湾。

 


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