金融苦手系女子のための連載第9回。お金の計算、節約が苦手なひよ子ちゃんの悩みを、ファイナンシャル・プランナーのヨーコ先生(甲斐洋子)が解決します。
今月は政府の還元事業で注目されている「キャッシュレス決済」について。対象店舗は全国ですでに約73万店と広がっていますが、ひよ子ちゃんの先輩のきみ子ちゃんは「クレジットカードは不安であまり使う気になれない」と言います。今回はきみ子ちゃんと一緒に、Session3を復習しながらキャッシュレスとの付き合い方を学びます。
★カード払いはスマートに!
ヨーコ先生:消費税が10%になってもう1カ月。政府の「キャッシュレス・消費者還元事業」の影響もあってか、クレジットカードの端末を設置したりスマホ決済に対応したりするお店が増えてきたわね。
ひよ子 :そうですね! 先日街の小さな雑貨店でクレジットカードが使えてびっくりしました。
ヨーコ先生:2020年6月までの時限措置ではあるけれど、なるべく還元が受けられる手段で払いたいという人も増えてくると思うわ。使い勝手はいまひとつだけど、対象店舗を探せる地図アプリもできたし、キャッシュレス決済がお店にとっても消費者にとってもメリットのある状況になってきたわね。
きみ子 :そんなに変わってきているんですか? ポスターなんかはよく見かけますけど、やっぱりなんだか使う気になれなくて。クレジットカードって高い買い物をするものってイメージだったので。

ヨーコ先生:たしかに、少し前までは「クレジットカードは高額な買い物をするときに使うもの」という印象が一般的だったわよね。少額の買い物に使うのに抵抗がある人もいるかもしれないわね。
きみ子 :コンビニでミネラルウォーター1本買うのに、クレジットカードを出すのは気が引けます。お金を使う実感もわかないし。
ひよ子 :でも、カードを使うと還元もあるんですよ。先生、ずばり、カードはどんな時に使うのがお得なんでしょう?

ヨーコ先生:使えるときには思い切って使うべき、が正解よ。
ひよ子 :クレジットカード対応のお店では、原則カード払いっていうことですね。
きみ子 :え~!「カード使えますか?」って聞くの、現金を持っていないみたいでなんだか恥ずかしいわ。
ヨーコ先生:そんなことはないわ。決済手段は選ぶものよ。少なくとも政府の消費者還元事業がある20年6月までは、対象店では現金払いより実質負担額が少なくなるから、使わない手はないのよ。
ひよ子 :対象店では5%、フランチャイズチェーンのお店では2%のポイント還元が受けられるんですよね。
ヨーコ先生:原則はポイント還元だけど、大手コンビニなどではその場で利用可能なポイントを発行する「即時充当」方式を採用していて、簡単に言うとその場で支払う額が2%引きされるのよ。ポイントサイトへの登録やポイント交換が面倒だという人も、お得を実感しやすいわよね。

きみ子 :その場で2%安くなるって言われちゃうと…。でも、高額な買い物なら大きな差になりそうですけど、コンビニで高いお買い物ってあまりしませんよね。
ヨーコ先生:あら、毎日ミネラルウォーターを2本買うなら、1本100円としても1カ月(平日20日で計算)で4000円の買い物になるのよ。少額の買い物も軽んじてはいけないわ。
ひよ子 :100円2%還元で買えば2円分還元、1カ月だと80円分になるんですね。ちりも積もれば、ですね。
きみ子 :カード、使ってみようかなあ……。
ヨーコ先生:スーパーやコンビニなどでは最近、少額決済ではサインを必要としない「サインレス決済」に対応していて、カードでの支払いもスムーズになったから気後れする必要はないのよ。むしろ混雑時には現金払いよりスピーディーかもしれないわ。
きみ子 :事前にカードとポイントカードさえ用意しておけば、小銭が足りなくてレジでもたつく心配もないわけですね。たしかに1円足りなくて結局大きなお札で払うときなんかは申し訳なくなっちゃう。
ヨーコ先生:クレジットカードを持っているけどポイント管理が面倒だという人は、もしかしたらそのカードは向いていないのかもしれないわ。よく使うスーパー、ドラッグストア、定期的に高額な買い物をするデパート…なんでもいいから、自分のライフスタイルのなかで貯めやすくて使いやすいポイントに対応したカードを選べば、それほど面倒を感じずに済むと思うわ。
ひよ子 :生活圏が変わって使えなくなったカードってついついそのままになってしまいますよね。うっかり年会費が発生!なんてことになったら大変ですから見直しも大切ですね。