エア本屋の「いか文庫」。閉店後の店内で交わされる店主とバイトちゃんのイカした会話、本のお話。
バイトちゃん(以下 バ) :今日もおつかれさまでした!
店主(以下 店) :おつかれさまー!
バ:店主は今年に入ってから何回か山登りに行ってますよね?
店:そうなの! お正月に初日の出を見に行ったのを機に、小学生のころ以来で山に登ってるよ!
バ:アウトドア店主!
店:イエス! あとキャンプにも行きたい。あんなにインドアだったのに、最近はこういう本が気になるようになったよ。
バ:『一生ものの、山道具』? ついに、山道具も揃(そろ)え始めたんですか!?
店:あ、いや、まだ揃えるまでは…。でも、友達が持って来る道具とかを見て、すごい! 面白い! って興味がどんどん膨らんでるところ。
バ:山道具を紹介しているのは、みんな女性なんですね。
店:そうそう。著者のホシガラス山岳会さんは、女性だけの外遊び仲間なんだよね。だから、女性ならではのセレクトもあって、「なるほど〜」って感心したりもしてるよ。
バ:女性ならではのセレクト?
店:たとえば、通気性がよくて使い勝手もいいうえに、化粧や髪の毛を気にしなくていいかわいらしい帽子とか、顔色がよく見えるシャツとか。
バ:なるほど! 店主は欲しいものはありましたか?
店:ふかふか布団!
バ:え! ふかふか布団?
店:テントの中で寝るとき、下にマットを敷くんだけど、私は息で膨らますタイプしか使ったことがなくて。でも、この本に載ってる布団は、手で押すと、3分くらいでふっかふかの布団ができるんだって。想像しただけで眠気が…。
バ:ちょっと! 店主が寝ちゃう前に、私もアウトドア本を一冊!
店:ふあぁぁい。
バ:『いぶり暮らし』って漫画、読んだことありますか? 同棲しているカップルが、週に1日だけお休みがかぶる日曜日に、おいしい燻製をつくって、2人の時間を楽しんでいるんですよ。
店:あらやだ楽しそう!
バ:自宅で燻製をつくるなんて、生活レベルの高い人たちの話なのかな? って読んでいたんですけど、全然そんなことはなくて。庶民的なメニューばっかりなのが、好感をもてます。インスタント麺やチョコレートを燻製にしたり!
店:なんと! おしゃれな燻製ハムとかつくるもんだと思ってた!
バ:外へ出て、燻製をつくることもあるんですけど、海でのお話では、イカの燻製も出てきますから! 数ある海の幸の中で、イカがピックアップされたお話がありますから!
店:うん…(笑)。私も漫画、読んでみるね! そしてキャンプで燻製つくってみたい!
バ:山へ行って、燻製をつくって、ふかふか布団で寝たら、上級者!
店:うん! 今年の夏は、目指せアウトドア上級者だ!
バ:本でしっかり予習して、外へ繰り出しましょう!
いかぶんこ
お店も無いし、商品も無いけど、日々どこかで開店しているエア本屋。本と本屋が好きな店主と、イカが大好きなバイトちゃんの2人で、今日もどこかで開店中