店主(以下 店):もしもーし。バイトいも、おつかれさまー。最近のロンドンはどう?
バイトいも(以下、いも) :もしもーし。ただいまロンドンはお昼の12時、休憩時間中です。この前、めったに降らない雪が降ったよ!
店:へぇ。本屋さんには行ってる?
いも:うん、行ってるよ。そうそう、最近はじめて参考書以外の英語の本を買ったよ! 村上春樹の『BIRTHDAY GIRL 』! 20歳の誕生日を迎えた女の子が、ひょんなことからアルバイト先のレストランのオーナーにはじめて食事を届けることになるのだけど…。
店:あ! そのお話、村上春樹ファンのフランス人が描いたフランスの漫画、バンドデシネでコミック化もされてたはず…。これこれ『HARUKI MURAKAMI 9 STORIES バースデイ・ガール』。
いも:「フランスの漫画」なんてジャンルがあるんだね。
店:うん。日本でも人気があって、たくさん翻訳出版されてるよ。ところでバイトいもは、ロンドンに行ってどれくらいになるんだっけ?
いも:2年になるよ。
店:もうそんなに経つのか! そっちで暮らしていて、びっくりしたことってある?
いも:たくさんあるよ。最初にびっくりしたのが、水が硬水で石灰が入ってるから、硬度を下げる薬を入れないと洗濯機も食洗機も壊れるし、シャワーヘッドも詰まるってこと。あとコンビニもなくて、スーパーも営業時間が短かったりするから、食材を買うのに苦労しちゃう。
店:なんと…。実はこんな質問をしたのは、『わたし今、トルコです。』って漫画を読んだからなんだ。トルコに移住した漫画家さんの、トルコライフ・エッセイだよ。
いも:トルコ料理の店はロンドンにもたくさんあるけど、イスラム教だからお酒は出さないの。だから飲み物は持ち込みOKなんだ。ご飯はどれもおいしいよ。
店:そうなんだ! いちばん驚いたのは、たまに水道が前触れなく止まるって話。そのときは、16時間くらい復旧しなかったんだって。
いも:ひえー! さすがにロンドンでもそれはないなー。
店:そのほかにも、日本にいるだけじゃ知り得ない話が満載なの。
いも:ロンドンでは、日本の普通の本屋さんではあんまり見かけない大きなデザイン書みたいな本を、リュックにぎゅうぎゅうに詰めて持ち歩く若者もよく見るよ。それを地下鉄の中で開いて読んでる。
店:それ面白い!
いも:あと、地下鉄の中では、村上春樹や芥川龍之介を読んでる人もたまに見かける。まだまだ翻訳本は少ないみたいだけどね。
店:ロンドンの本屋事情、もっと知りたいけど、今日は眠たいので…続きはまた今度!
いも:はい! 午後の営業もがんばります!