海外でも高い評価を受けている日本人女性写真家、石内都さんの個展「Frida is」が、28日から銀座の資生堂ギャラリーで開催されています。
今回の個展では、20世紀前半に波乱に満ちた生涯を送ったメキシコの女性画家、フリーダ・カーロ(Frida Kahlo, 1907-54)の遺品を撮影した作品31点を展示しています。作品は2012年、フリーダ・カーロ美術館からの依頼を受け、フリーダが身につけていた衣服や靴、化粧品などを石内さんが独自の視点で撮影しました。
フリーダは幼少期の病気や事故で不自由な体を抱えながら、生来の美貌に華やかな刺繍やレースで飾られた民族衣装を身につけてアーティストとして精力的に活動。旧ソ連からメキシコに亡命した革命家のレフ・トロツキーや著名な日系アメリカ人の彫刻家イサム・ノグチとの恋愛、巨大な壁画で知られるメキシコの国民的な画家ディエゴ・リベラとの2回に及ぶ結婚など、その情熱的な生き様にはいまもロマンをかき立てられる人は多いはず。
でも、石内さんの作品は、フリーダを単に歴史上の美しきヒロインとして描くのではなく、遺品に含まれていた手鏡などを通して、痛みと闘いながらも希望を失わずに人生を力強く生き抜いたひとりの女性としてとらえています。石内さんは「同じ女性として表現者としてしっかり生きた一人の女性に出会ったということが一番大きかった」と語っています。
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石内都(いしうち・みやこ)
街や人に関連した作品を撮り続け、1979年に女性で初めて木村伊兵衛写真賞を、2014年には日本人で3人目となるハッセルブラッド国際写真賞を受賞。ニューヨーク近代美術館や英国のテート・モダンなど国内外の美術館やギャラリーで多くの展示実績を持つ。近年は原爆で亡くなった人々の遺品を撮影した「ひろしま」が国際的に注目される一方、大正・昭和の着物など布にまつわる作品に取り組んでいる。
会期 6月28日~8月21日(月曜休み)
会場 資生堂ギャラリー
中央区銀座8-8-3東京銀座資生堂ビル地下1階
Tel. 03-3572-3901
入場無料
[トークイベント]
石内都×黒河内真衣子(mameデザイナー)
日時 7月2日 午後2時~午後4時
会場 花椿ホール
中央区銀座7-5-5資生堂銀座ビル3階
参加費無料
申し込み www.shiseidogroup.jp/gallery/
Frida by Ishiuchi 2012/2016 ⓒIshiuchi Miyako
Fride Love and Pain 2012/2016 ⓒIshiuchi Miyako
Fride Love and Pain 2012/2016 ⓒIshiuchi Miyako