俳優が監督を手掛けるのはさほど珍しいことではないが、当たったことがないといわれるオムニバス映画に果敢に挑戦した。5編のエピソードからなる「幸福のアリバイ~picture~」(公開中)を撮ったのは、これが3本目の長編となる陣内孝則監督(58)。「玉手箱のようにいろんな味わいが詰め込まれている映画もいいんじゃないかと僕は思うんです」と目を輝かせる。(藤井克郎)
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タイトルに「picture」とあるように、この映画は人生の節目節目を写真というキーワードで切り取っている。例えば、第1話の「葬式」は、ある親分の葬儀の席で遺族らが遺言をめぐってもめている。保管していた写真を死後に公開してほしいというのだが、そこにはとんでもないものが写っていた…。