銀座でフランス料理を食べるとなると、どうしても身構えてしまいますが、昔は木挽町(こびきちょう)と呼ばれた銀座2丁目の東の隅にあるKAIRADAでは、普段着で本物のフレンチを楽しむことができます。
KAIRADAという店名は、今から30年以上も前にオープンした日本のグラン・メゾンとして知られるアピシウスで10年以上にわたり鍛えられ、フランス料理で最も重要なソースを任されるまでになった、このレストランのオーナー 皆良田シェフの名字をローマ字表記したものです。
もちろん、KAIRADAで味わえるのは、ソースに重きを置いた王道のフランス料理です。しかし、店内は絢爛豪華な内装で飾られているわけではなく、一見すると街場の普通のレストラン。でも、食事をする人の中にはフランス料理を食べ慣れた人たちが少なくありません。また、仕事の一環として食事をした人が、プライベートで利用したり、休日に家族と訪れたりしています。そして、記念日に利用するカップルが多いのもKAIRADAの特徴です。最初は、店名が自分の名字と同じいうことで来店した人が、後に、結婚報告を兼ねて訪れ、生まれたばかりの子供を連れて立ち寄ったこともあったそうです。KAIRADAは、皆良田シェフの暖かい人柄が感じられる空間なのです。
皆良田シェフの人柄が表れた暖かみある店内©Waki Hamatsu
そんなレストランで、是非これからの季節に食べてほしいのが、ジビエを使ったメイン・ディッシュの数々。真鴨や山ウズラ、鹿、猪など各地のハンターから送られてくるジビエと呼ばれる野生の鳥獣の肉は滋味深く、皆良田シェフが時間をかけて仕込んだソースと合わせて口に運べば、身も心も暖まります。 今年の冬は、銀座の片隅で気取らずに、フランス料理の本当の豊かさを体感してみてはいかがでしょうか。
中央区銀座2-14-6 第2松岡ビル1F
03-3248-3355