神田の地で400年以上続く、江戸っ子大集合の"天下祭"
秋葉原からほど近く、歩いて行ける距離にある神田明神。1300年近い歴史を誇り、神田から丸の内まで幅広いエリアを守る「江戸総鎮守」のこの神社では、2年に1度壮大なお祭りが行われる。それが、今年5月に開催される神田祭だ。
神田明神創建から続く神田祭は、「江戸三大祭り」のひとつとして数えられ、”天下祭”として、幕府と庶民が一体になって世の平和を願う一大行事だった。ときに規模を拡大・縮小しながら今日まで開催を続け、今では周辺に住む人々にとってかけがえのない行事になっている。
5つの行事が一週間かけて行われる神田祭。今回はその中から、メインイベントである「神幸祭」と、大きな盛り上がりをみせる「神輿宮入」をピックアップ! 百聞は一見にしかず。江戸、東京の下町情緒を感じるお祭りに足を運んでみよう。
≪5月の行事 開催スケジュール≫
鳳輦神輿遷座祭
5月11日(木) 19時
会場:神田明神
氏子町会神輿神霊入れ
5月12日(金) 夕刻
会場:氏子町会神酒所・御仮屋
神幸祭
5月13日(土) 終日
会場:神田明神〜氏子地域一帯
神輿宮入
5月14日(日) 終日
会場:神田明神
明神能・幽玄の花
(金剛流薪能)(有料)
5月15日(月) 18時
会場:神田明神
献茶式 表千家家元奉仕
5月16日(火) 11時
会場:神田明神
例大祭
5月17日(水) 14時
会場:神田明神
神幸祭
神田明神に祀られた神様、“だいこく様”“えびす様”“まさかど様”を三基の神輿に乗せて、下町をめぐる大行列
神田祭のメインとなる「神幸祭」。三柱の神様を鳳輦と神輿に乗せて、神田明神から出発し、さまざまな装束姿の約500名からなる行列を連れて108の各町会をめぐり、祓い清めていく。約30キロの長い道のりを進み、夕方には日本橋にて「附け祭」も合流。東京藝大生による曳き物、子どもたちが曳く山車などが加わると、1000人規模の大行列になる。最後に秋葉原の電気街を巡行し、神田明神に戻るのは19時すぎ。神輿を前に、無事に「神幸祭」が巡行できたことを祝す神事が行われ、長い一日に幕がおりる。
賑やかな山車のパレード
〈附け祭〉
神輿宮入
朝から晩まで、鳴り止まぬ祭り太鼓と担ぎ手の掛け声!各町会の氏子と盛りあがるパワフルなイベント
一日中冷めることのない熱気で境内が埋め尽くされる「神輿宮入」。各町会の担ぎ手たちが「ソイヤ!ソイヤ!」と掛け声を発しながら、神田明神に入っていく。揃いの半纏を着た江戸っ子たちが神輿を右に左に旋回させ、ゆさゆさと動かしながら境内に入っていくさまは、圧巻のひと言。無事境内に入って、神輿をさして参拝すれば、返納は完了。次の町会、その次の町会、と入れ代わり立ち代わり、宮入は続いていく。祭り太鼓の音と、人の熱気が相まって神田祭の中でもとくにお祭りらしいムードになる一日だ。
宮入に参加する神輿は、108の氏子町会のもの。思い思いに飾りつけられた神輿は見ているだけでも楽しめる。そのほかにも、女性だけで神輿を担ぐ「女神輿」のほか、トリの「江戸神社(旧神田市場)」の巨大な神輿など、一日のなかでも多種多様な神輿を見られるのは神田祭ならでは
行く前に知っておきたい
〈神輿と山車のちがい〉
よく混同されがちな「神輿」と「山車」には、ちゃんとした役割の違いがある。神様が町会を清めてまわる際に乗る乗り物が「神輿」。一方、「山車」は祭りの際に、山や鉾に人形などを飾りつけて巡行する曳き物のこと。ちなみに、鳳輦と呼ばれる神様の乗り物は、実際に人が乗れるようになっているそう。違いを知れば、祭りの楽しみ方が変わるかも?
KANDA MYOJIN
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