メトロポリターナ編集部が、東京メトロ沿線で見つけたいろいろなことを気ままにご紹介。今回は、編集部・関根が愛してやまない、どこか安心感のあるレトロな喫茶店の、絶品プリンを紹介します。
虎ノ門/ヘッケルン
虎ノ門ワーカーに愛される喫茶店「ヘッケルン」。ここの名物といえば、なんといっても「ジャンボプリン」! 数年前に友人と訪れて以来、すっかりはまり、行くたびに必ず注文しています。香ばしいカラメルソースがたっぷりのプリンは、お皿の上にしっかりと自立するのに、口に入れた瞬間溶けてなくなる絶妙な食感が魅力です。王道、なのにここでしか食べられない…。その美味しさの秘密が気になり、「ヘッケルン」のマスター・森静雄さんにお話を聞いてきました。

私が感じる「ヘッケルン」のプリンの魅力は、どこか懐かしい美味しさと食感です。プリンは、気泡が入っていないなめらかな食感。カラメルソースは、甘さと苦味のバランスがちょうどよく、香り高い味わいです。「レシピを雑誌で紹介したことがあるんだよ。でも同じようにはつくれないから大丈夫」と話してくださったマスター。詳しく聞くと、その言葉にも納得。このプリンには、ほんのわずかな加熱時間の違いで変わる、美味しさへのこだわりが詰まっていました。

その食感と風味豊かなカラメルソースづくりの鍵となるのは、加熱時間。プリンは、卵液の変化を見ながら火力を調節し、ていねいに蒸し上げます。さらに、カラメルソースは、1時間煮詰めたのち、秒単位で火力を調節。とろみや風味をつくり上げていきます。ほんのちょっとした違いで味が変わるため、加熱している間は蒸し器や鍋のそばを離れないそうです。数秒の違いを見極める確かな目。「ヘッケルン」のプリンは、マスターの腕があってこその美味しさなのでした。

9月で創業50年を迎えた「ヘッケルン」。長く愛される理由は、マスターの人柄にもあります。たとえば、玉子サンドを提供する際には「美味しい美味しい玉子サンド出るよ〜」の声が。提供後も、「どう?美味しいでしょ?」と話しかけてくれて、店内はみんな笑顔に。写真をお願いすると、「じゃあこうしようか!」とポーズをきめてくれました。マスターは、店を明るくする太陽のよう。みなさんも、美味しいプリンとマスターから元気をもらいに「ヘッケルン」に行ってみては?
HEKKERUN
港区西新橋1-20-11 安藤ビル1F
[TEL]03-3580-5661
[営]月〜金 8:00〜19:00
土 8:00〜17:00
[休]第2土・日・祝
関根 栞(せきね しおり)
メトロポリターナ編集部員。趣味は映画と旅。好きなものはカフェラテ。海外に行きたい気持ちをおさえながら、映画を見て過ごしています。