マンガ好きの書店員が選ぶイチオシの1冊①［マンガを読まなイカ］

2020.11.15 カルチャー, 本

数あるタイトルから、限りある書店の棚に並べるものを厳選している書店員。マンガ好きの書店員が、いま読むべきイチオシを紹介。

ジュンク堂書店　池袋本店
コミック担当　山口由香里さん

『北北西に曇と往け』
著：入江亜季
KADOKAWA　680円

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アイスランドを舞台にした、17歳の少年の探偵活劇。話が進むにつれて漂ってくる緊張感は、実際に読んでのお楽しみ。本筋に付随して、毎巻アイスランドの雄大かつ原始的な大自然をオンボロ愛車でドライブする主人公の姿が描写されているのですが、読んでいるこちらまで旅情にさそわれ異国に行きたくなってしまうような、強烈な魅力があります。まだまだ自粛ムードの世の中ですが、擬似旅行体験としてぜひ。

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青山ブックセンター本店
コミック担当　本田翔也さん

『バクちゃん』
著：増村十七
KADOKAWA　740円

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可愛い絵柄の主人公・バクちゃんを中心に、移民をテーマに、SF風に描かれた作品です。なかでも、戦争で故郷の星を失った区民館で働くサリーさんに「27年いて地球は好き？」とバクちゃんが尋ねると、サリーさんが沈黙のあとに「選択肢ないよ（ノーチョイス）」と答える5話（#05）には、ハッとさせられました。風当たりが強い社会で懸命に生きる人たちの思いを代弁するような、素晴らしい作品です。