《アンダーカバー2》(部分)2020年 Courtesy: Hauser & Wirth 高さが異なる28本の木製の脚と鋼鉄の骨組みが全体を支え、色鮮やかな布が組み合わさった傘のような巨大彫刻。迫り来るパワーを感じる。

フィリダ・バーロウ《森美術館「アナザーエナジー展」へ》[ヒルズの休日]


 世界各地で創作を続ける16名の女性アーティスト。その全員が、なんとキャリア50年を超える70歳以上!彼女たちのエネルギーが詰まった展覧会が開催中だ。


Phyllida Barlow

「わからない」という状態が、
私にとっては制作で新たな冒険をする動機であり続けました。
―― フィリダ・バーロウ

 

 セメントや集合材、ダンボールなどの安価な工業用材料を使い、今にも崩れ落ちそうだったり、立ち上がりそうだったりと、別の状態へと移行する間際にあるかのような構造体の作品を制作し続けているフィリダ・バーロウ。第二次世界大戦の空襲により、内部が剥き出しになった建物や瓦礫の山に強い印象を受け、戦後の物が乏しいロンドンで幼少期を過ごしたことで、身のまわりのものを自分の手でつくるようになったという。1960年代から世界的に広まったコンセプチュアル・アートなどの理論が先行する流れのなかにおいても、素材や造形そのものと個人の経験を大切にし、手を動かしてつくるという行為に無限の可能性を探求する姿勢は今も健在だ。

 

Profile

 1966年にロンドンのスレード美術学校を卒業後、自身も60年代から教鞭をとり後進育成に貢献。5人の子どもを育て、2009年に退職後、サーペンタイン・ギャラリーで開催された2人展で国内外の注目を集めた。2017年第57回ベネチア・ビエンナーレ英国館代表。


Information

アナザーエナジー展:
挑戦しつづける力―世界の女性アーティスト16人

会期:9月26日(日)まで開催中
開館時間:10:00〜20:00(最終入館19:30)
※火曜日のみ17:00まで(最終入館16:30)
※当面時間を短縮して営業。最新情報はWebサイトにてご確認ください
会場:森美術館(六本木ヒルズ森タワー53階)
出展アーティスト:エテル・アドナン、フィリダ・バーロウ、アンナ・ボギギアン、ミリアム・カーン、リリ・デュジュリー、アンナ・ベラ・ガイゲル、ベアトリス・ゴンザレス、カルメン・ヘレラ、
キム・スンギ、スザンヌ・レイシー、三島喜美代、宮本和子、センガ・ネングディ、ヌヌンWS、アルピタ・シン、ロビン・ホワイト

便利で安心な森美術館のオンラインチケットシステム

 森美術館に行くなら、この春から新たに導入されたチケットシステムを活用しよう。専用オンラインサイトや「ヒルズアプリ」からチケットを事前購入すれば、QRコード認証でスムーズにダイレクト・イン入館ができる。また、美術館入り口には無人券売機も設置。キャッシュレスにも対応し、非対面、非接触の安心して鑑賞できる環境になっている。

専用オンラインサイト
https://visit.mam-tcv-macg-hills.com

ヒルズアプリ
https://preview.page.link/hillsapp.page.link/app_installer
※スマートフォンでアクセスしてください。


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