#マイクロプラスチック削減「人と海のためにレス・マイクロプラスチック認証を」[サステナブルファッション入門]

ファッション

 いまや私たちの生活に欠かせない、化学繊維。しかしそれらは、世界が深刻な課題としている海洋汚染につながっている。明るい未来を目指すべく立ち上がった、「LMPプロジェクト」について。


より環境に負荷をかけない化学繊維を追求する
レス・マイクロプラスチック プロジェクト

 着用や洗濯を繰り返すことで、どうしても落ちてしまうのが細かな繊維。ポリエステルなどの石油からできた化学繊維は、マイクロプラスチック(以下MP)として、家庭排水から海へと流れていく。国際自然保護連合(IUCN)によると、洗濯によって海に流れ込む繊維は、年間におよそ50万トン(ペットボトル500億個分)とされている。しかし、そうした安定的に生産できる化学繊維が、いまや多くの市場を支えているのも事実。そこで「伊藤忠ファッションシステム」が着手したのが、MP繊維が“脱落”している現状の把握と改善だ。この2020年に発足した「レス・マイクロプラスチック プロジェクト」は、独自の技術によって、化学繊維製品から落ちるMPの排出量を測定。衣類の市場における化学繊維の脱落量の平均値を割り出し、その削減レベルを設定し、定めた基準をクリアしたものに、「レス・マイクロプラスチック(LMP)認証」を行っている。

 市場のなかでも、MP繊維の脱落が多いのは、フリースなどの起毛製品であることがわかってきた。そうした検証を踏まえ、このプロジェクトでは、《グラミチ》と《ダイワ》などのブランドの起毛フリースが、最初の認証製品となった。どちらも化学繊維とは思えないほどやわらかい触り心地と耐久性を追求し、家庭からのMPの排出量をおさえながら、長く着ることができるのが特徴だ。

 今後は、よりMPの脱落量が少ない素材を開発しながら、メーカーへの素材提供、そして認証の普及を広めていくという。恩恵を受けてきた化学繊維と共存しながら、環境を大切にしていくための選択肢として、LMP認証がこれからの重要な指標になるかもしれない。

metro222_sp05_hdr.jpg伊藤忠ファッションシステムによる「レス・マイクロプラスチック プロジェクト」は、一定の処理や消耗によって、どの程度マイクロプラスチック繊維が脱落するかという検査を重ね、一般的な素材と、それが出にくい素材を比較。マイクロプラスチック脱落量が50パーセント以上おさえられた製品には、「レス・マイクロプラスチック(LMP)認証」が付与される。

Gramicci

グラミチ

metro222_sp05_1.jpg《グラミチ》ボアフリース プルオーバー(ナチュラル) 1万4080円
インス  Tel. 0120-900-736

DAIWA

ダイワ

metro222_sp05_2.jpg《ダイワ》エアリーフリースジャケット(ブラック) 1万5000円〜
グローブライド  Tel. 0120-506-204

 

レス・マイクロプラスチック プロジェクト(LMP)に関する問い合わせ
lmp@ifs.co.jp
https://www.ifs.co.jp/lmp


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