いいものを少しだけ持つ。それを大切にし、長く着る。これももちろん、サステナブル。
Hakuro
ハクロ
天然繊維の服を選ぶということ
世界3大生地産地のひとつとされる愛知県尾州地方。ここで100年以上の歴史をもつ毛織物メーカーが山栄毛織だ。長年培ってきたノウハウを生かしてつくられる高品質な生地は、世界各国のメゾンや、国内外の有名ブランドの服にも使用されている。そんな山栄毛織が昨年から洋服づくりをはじめた。 その名は《ハクロ》。山栄毛織が世界に誇る生地を使ったイージースラックスのブランドだ。そのものづくりには、代表の山田和弘さんのこんな想いが込められている。
「ウールやカシミヤなどを使った織物の、本当のよさを知ってほしいという想いからはじめました。だからまずは無地だけ。なめらかなドレープと肌触りの心地よさ、上品なツヤといった、天然繊維がもつ美しさや魅力に気づいてもらえるはずです」
《ハクロ》ではあえて、低速に設定した織機を使って生地を織っている。時間はかかるが、そうすると糸がつぶれず、やわらかな風合いの生地に仕上がるのだという。こうしてできあがった生地は、国内の縫製工場でパンツに仕立てられる。長く履き続けることを前提としているので、パッと見は、シンプルなデザイン。けれど、素材がもつ上品な存在感にもすぐ気づく。ちゃんとした場所にだって着ていける。しかもウエストは楽ちんなゴム仕様。これさえあれば、困らない。そんな気持ちにもさせてくれる服だ。
「天然繊維の服は、着続けていくことで変化していきます。風合いはやわらかくなり、ブラッシングしていけば毛玉も防げて、ツヤが生まれ、色落ちやアタリなども独特のアクセントとして楽しめます。この経年変化は、着ている人によって異なります。つまり、世界にたった一着しかない服に育てることができるのです。何年、何十年と大切に着続けてもらえるとうれしいですね」
美しくて心地いい。だから長く着続けたいと思えるし、大切にもする。そんな服を選ぶ。これもまた、サステナブルのひとつのかたちともいえるはず。
《ハクロ》alashan cash tapered(black) 9万200円 8月下旬以降発売予定
伊勢丹新宿店 本館4階 プライムガーデン
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