花のある暮らしは、生花でなくとも楽しめる。何十年と寄り添ってくれるサボテンが、ほんのわずかな時間に咲かせる花もまた、格別なひとときをもたらしてくれる。
じっくりと育てた分だけ感動もとびきり
花は花でも、ひとあじもふたあじも違った魅力を持つ花がある。それが、サボテンの花だ。多肉植物をはじめとする“一点物の植物”を扱う「叢(くさむら)」の代表・小田康平さんは、土から育つ成長期間の長いサボテンを、「過去・現在・未来がある植物」とたとえる。「サボテンは傷やねじれといった、古びた感じを残しながら、10年から30年という長い年月をかけて育っていきます。そのたくましさに、魅力を感じますね」と小田さん。たとえば、小さな個体の「玉サボテン」は、ある程度育ってくると、年に一度、美しい花を咲かせる。しかしその花が咲く時間は、長いもので年に2~3日間。短いものだと3時間という。それほどわずかな時間だけに、花が開いたときの感動は並々ではない。サボテンの花が咲く貴重な瞬間を待ちながら、じっくりと育てる楽しみを味わってみよう。
初心者にもおすすめなのは、ピンクや黄色の花を咲かせるエキノセレウス属(写真左)やエキノプシス属の花サボテン。光に当てる時間をしっかり確保しながら育ててみよう。
叢 代表
小田 康平
2012年、広島に「叢-Qusamura」をオープン。多肉植物や観葉植物などの販売をはじめ、施設の植栽や植物ディスプレイを手がける。2019年には、代田に「Qusamura Tokyo」をオープン。一点物の植物の魅力を発信し続けている。
QUSAMURA TOKYO
世田谷区代田4-3-12
Tel. 03-6379-3308
[営]金~日、祝 13:00~18:00
[休]月~木、不定休
http://qusamura.com