まだ知らぬ花との出会いを求めて[好きな花と]


 ほかの花屋ではなかなかお目にかかれない、ちょっと珍しい花が揃う、「LUFF Flower & Plants WORKS」。店主の上村拓さんが好きな、“素朴な花”の魅力とは。


素朴な花を通じて小さな発見と感動を

 「誰もが知っている花よりも、野に咲く花のような、素朴な花が好きです」。そう話すのは、清澄白河にある花屋「ラフ フラワーアンドプランツ ワークス」(以下、ラフ)店主の上村拓さん。店内には、バラやダリアなど、花屋でよく見かける花もあるが、たしかに、見たことがないような珍しい花が並んでいる。「こういう名前もあまり知られていないような花を見て、『この感じ、なんかいいね』と思ってもらいたい」。取材の当日、上村さんが生けてくれたのは、ツヤのある葉っぱとうねりのある茎、先端には1cmにも満たない小さな青い花がいくつもついているワスレナグサだった。「どこかでその花の名前を聞いたことがあるとか、パッと目に入ってきたからとか、そんな理由から花を選んだっていいと思うんです」と、上村さんは続けて話してくれた。

 花を選んで、飾る。そうした行為に慣れていない人には、迷いが生まれることもあるかもしれない。そんな人にこそ、まずは気になる一輪を試しに買ってみてほしいと、上村さんは考えている。つぼみはどうやって開いて、どんな花がどれくらい咲いて、枯れるときには花びらがどうやって落ちていくのか。そうした本当に小さな発見が積み重なって、楽しみや感動につながっていくことがある。

 誰かに花を贈るときにだけ花屋を利用する人も多いだろうけれど、上村さんが目指しているのは、とくに用がなくとも「ちょっと寄ってみよう」と思ってもらえる花屋だという。いつもの花もいいけれど、まだ知らぬ花との出合いを求めて、花屋に足を運んでみるのも面白そうだ。

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白い華奢な花が特徴のリモニュームをはじめ、ビバーナムティヌス、リューカデンドロン、グレヴィレア、ティーツリー、アルストロメリア、アンスリュームを組み合わせた、上村さんによる生け込み
 

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上村さんがこの日“目が合った”という、ワスレナグサとヒイラギ

 

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フローリスト
上村 拓

「ユー花園」でブライダルの花を扱ったのちに、外苑前「フーガ」で経験を積み、独立。2015年、清澄白河に「ラフ」をオープン。花を瓶に閉じ込めた「ハーバリウム」をはじめ、さまざまなかたちで花を楽しむ方法を提案している。


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LUFF
Flower & Plants WORKS

江東区清澄3-3-27
Tel. 03-5809-9874
[営]10:00~19:00
[休]月・火
http://luff.tokyo


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