クラシエ薬品 《漢方セラピー》 人にやさしくなるゲーム 3630円

《みんなの理解を深めるために》人にやさしくなるゲーム[相互理解の現在地]


 

 ジェンダーギャップの解消やD&I(ダイバーシティー&インクルージョン)の実現に向けて、いま、理解を深めるきっかけをつくる商品やプロジェクトが生まれている。ここでは、注目したい2つの事例を紹介していく。


症状にどう寄り添っていく?
年齢や性差を超えていくカードゲーム

 生きていれば、誰しも経験する体の不調。しかし、自分が経験したことのない痛みや不調を抱える人を目の前にしたら、一体どんな声をかけられるだろう。そんな想像を膨らませてくれるのが、昨年、クラシエ薬品の漢方薬ブランド《漢方セラピー》の15周年記念として発売された「人にやさしくなるゲーム」だ。生理痛や冷え性、肩こりなどの45種類の「症状カード」と、声かけやジェスチャーといった、相手への具体的なアプローチが記載された「アプローチカード」を使うこのゲームは、なにかしらの症状を持った(症状カードを持つ)人に対して、いかにやさしく声をかけられるかが問われるゲームとなっている。漢方セラピー企画担当の植木裕之さんは、このゲームの意図を次のように話してくれた。

 「体の不調は、個人差があります。また、人によっては症状に対して『恥ずかしい』 『触れてはいけない』と思う人もいるでしょう。価値観の違いも明らかになります。ネガティブな認識を含む症状について正しい理解を深めていくには、まずはマイナスのイメージを取り払う必要があると考えました。ゲームを通じて、あえて楽しみながら他者の不調について理解することができれば、人にやさしい環境づくりにつながるのではないでしょうか」

 医薬品メーカーから発売された異色のカードゲームは、昨年11月の発売から、予想していた以上の注文が殺到。発売後2カ月で完売*し、さまざまなゲームが出展される展示会でも注目を集めた。

 身近な人が悩んでいたら、どんなケアができるのか。自分が当事者なら、この不調をどう伝えよう。ゲームを通じてそんなふうに考えて、実際に声に出してみることで、思いやりの意識が自然に生まれていく。

*現在は追加生産され、再販売中


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ゲームに使用するのは、45枚の「症状カード」と9枚の「アプローチカード」。遊び方は、「症状カード」をひいた“症状を当ててもらう人”に対して、“まわりの人”が「アプローチカード」に応じてやさしい言葉をかけていく。“症状を当ててもらう人”は、もっともいいなと思った声かけをした人に対してコインを渡し、勝敗を決めていく。プレイ人数は2~6人。


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