誰もが自信を持って生きることができたら、もっといい社会へと前進するかもしれない。では、「自分らしく生きる」ためには、なにからはじめたらいいのだろう?明日からできる心がけや知っておきたいテクノロジーについて、この2つのセッションから理解を深めてみよう。
TALK SESSION
一人ひとりが輝く社会に向けて
私たちが取り組むべきことは?
DEIの実現には、正しい知識を持ち一人ひとりが考え続けることが必要不可欠だ。2つのトークセッションでは、リッジラインズと多様なゲストが、自分らしさの引き出し方や、DEI推進のために取り入れたいテクノロジーについて話し合った。
session 1
─対話でつながる、ひろげる、これからのDEI─
写真左から
リッジラインズ株式会社
川嶋孝宣さん
帝人、IBM、Philips、KPMGを経て、リッジラインズに入社。すべての領域に「健康・ヘルスケア」をかけあわせて価値の創出を目指す「X-Health®」をコンセプトに掲げ、ヘルスケア領域をリードしている。
ミュータントウェーブ。
大嶋悠生さん
元なでしこリーグの女子サッカー選手で、現在はトランスジェンダー男性として生きる、「ミュータントウェーブ。」のリーダー。「すべての人々が自分を好きになれる世界の実現」をビジョンに掲げて活動中。
リッジラインズ株式会社
関 優子さん
日本の大学を卒業後に渡米し、英語を母国語としないマイノリティとして、学生と社会人経験を積む。現在はリッジラインズでDEIの推進に取り組むとともに、さまざまな業界のリーダーへ、変革のための支援をしている。
産経新聞記者
篠原那美さん
2002年入社。さいたま総局、東京本社社会部、文化部などを担当。現在、産経ニュース「フェムケアプロジェクト」特集サイトで、【性ホルモンを学ぶ】【みんなで考える 思いやりのカタチ】【学び直す大人の性教育】を連載中。
自分らしく生きるために心に留めておきたいこと
セッション1では、リッジラインズの川嶋孝宣さんと関優子さん、ミュータントウェーブの大嶋悠生さん、産経新聞社の篠原那美記者が「自分らしさ」をテーマにトークを展開。 長年アメリカで暮らしていた関さんは、帰国してから、自分らしさを隠そうとしていた過去について語った。「日本の職場では“まわりと一緒でなければならない”と思いこみ、自分の強みやアメリカでの経験を隠して過ごした時期もありました。でも、そうするうちに自分らしさが萎縮していく感覚があったんです。自分らしくあること、自分らしさを出すこと、そんな自分を認めてあげることの大切さにあらためて気づきました」。では、自分らしくあるためになにを意識すべきだろう? 大嶋さんは、自分の心と向き合うことを挙げる。「自分の一つひとつの選択に対して、なぜこれを選んだのかを考える人は少ないと思います。でも、これも自分の気持ちを知るヒント。“私はこれを食べたらご機嫌になれるな” “これをされると嫌だな”というように、行動によって心がどう動くのかを考えることが、自分を知ることにつながります。自分を知ると、他人の長所にも気づけるようになるので、いいことばかりです」。「人から褒めてもらうと謙遜する人もいるけれど、素直に自分の長所として受け止めて、人のいいところを見つけたら積極的に伝えて、いい連鎖を生んでいきたいですね」と川嶋さんは続ける。自分らしくいられる社会のあり方について、このセッションから考えてみたい。
session 2
〜日々の健康の困りごとを和らげるDEIテック〜
写真右から
リッジラインズ株式会社
黒田岳志さん
新卒で富士通総研に入社後、流通、教育、不動産業を中心としたコンサルティング業務に従事。リッジラインズに入社後、業務改革や組織設計のほか、ヘルスケア領域を中心に新規事業開発などの新たな分野でも活躍する。
リッジラインズ株式会社
加藤 陽さん
大学院で工学の博士号を取得後、新卒でPhilips Japanへ入社。2023年11月にリッジラインズへ入社後は、ヘルスケア領域における新規事業開拓や、大学院時代の研究で得たノウハウを実装するための取り組みを行う。
株式会社ジー・サーチ
中辻 裕さん
富士通総研に入社後、同公共政策研究センター上級研究員を兼務。現在は株式会社ジー・サーチで、科学技術・イノベーション政策に関する調査研究や新規研究テーマ策定支援、技術動向調査に従事している。
DEIを進めるために活用したいテクノロジー
セッション2では、リッジラインズの川嶋孝宣さん、黒田岳志さん、加藤陽さん、ジー・サーチの中辻裕さんが、DEI実現のために活用したいテクノロジーについて語り合った。
「フェムテック」という言葉が浸透してきている中、女性のみならず男女の健康課題を解決する「ジェンダーテック」、ひいては一人ひとりの健康課題を解決する「DEIテック」の理解が重要だ。加藤さんは次のように解説する。「違いを個性ととらえ、個性を持った人々がともに生きるためのテクノロジーであることが大切です。ポジティヴヘルスで定義しているように、疾患や障害を抱えていたとしても、まわりの力を支えにしながら、本人がよりよい選択肢を前向きに選べる社会をつくっていくこと。企業は、当事者をサポートするために必要な情報や製品を届けることが求められています」。世界中の最先端技術が集まる展覧会「CES(Consumer Electronics Show)」に参加したという黒田さんは、こんな気づきを挙げる。「フェムテックをうたう製品はほとんど見られなかったものの、よく見ると多様性に着目した製品が並んでいました。その光景を見て、性別に限らずもっと広く“違い=個性”として考えていこうというメッセージを強く感じました」。
中辻さんは、自身でもテクノロジーの活用経験があるという。「仕事で忙しかったときに妻から、脈拍で健康状態を測るアプリをすすめられて。使用時に深呼吸をするため自然とリラックスできて、結果から心身の状態を把握することにも役立ちました。当時、自分を顧みずに気合いで乗り切ることもできたかもしれないけれど、自分の状態に目を向けるためにも、周囲からの助言を排除せずに取り入れてみることが大切だと思いました」。川嶋さんは、セッション1を振り返りながら次のように続ける。「自分らしさを発揮するためのテクノロジーの活用についても、みんなが自分ごととして捉えて対話を続けることで、テック領域がもっと成長していくのかなと思います」。
DEIの推進には正解がないからこそ、対話して考え続けることが重要だ。産経新聞社とリッジラインズは、今回のイベントを機に継続的に活動するためのコンソーシアムを立ち上げる。このイベント視聴やコンソーシアムへの参加を通じて、DEI実現への一歩を踏み出してほしい。
point 1
DEIってそもそもどんなもの?
「Diversity(多様性)」「Equity(公平性)」「Inclusion(一体性)」の頭文字からなる略称。多様な人々が互いを尊重し合い、社会で活躍するための公平な機会を持って能力を充分に発揮できる社会を目指す。リッジラインズでは、DEIを重要な経営戦略と位置付け、誰もが輝き活躍できる社会の実現を目指して、業界を超えたDEIの推進活動に、積極的に取り組んでいる。
point 2
ポジティヴヘルスとは“能力”としての健康
2011年にマフトルド・ヒューバー氏が提唱した、従来の「病気を治す(治療)」より一歩前進した、健康の新しい概念。社会的、あるいは心身に何らかの問題があった場合に、その状況に適応して本人主導で解決していくための「能力としての健康」を指す。「病気や障害がある=不健康」ではなく、自ら行動して健康管理を行い、前を向いて進む力があることこそが健康である、という考え。
information 1
コンソーシアムに参加して、DEI実現への一歩を踏み出そう
産経新聞社とリッジラインズが主催するコンソーシアムが4月より始動! 自分らしさを発揮できる社会づくりや、それを叶えるためのテクノロジーの活用法など、DEIを軸とした、幅広いテーマで実施予定。ぜひご参加を!
詳細・参加はこちらから
https://id.sankei.jp/s/7690
information 2
オンラインイベントアーカイブ配信中!
2本のセッションは現在、メトロポリターナのイベント特設サイトより、アーカイブ動画を配信している。このセッションを見て得た気づきを家庭や職場で共有し、よりよい社会づくりに向けて意識を高めていこう。
https://www.sankei.com/special/femcareproject/event/2024-mar/
お問い合わせ:Ridgelinez(リッジラインズ)株式会社
https://www.ridgelinez.com