ライブハウスは自粛中。ライブ好きにとっては、なかなか我慢のときだけれど、今だからこそ心に響く音楽もある。日常よ、早く戻ってこい!と願いながら、耳を傾けたくなる音楽を紹介。
冬の終わりごろ、気の置けない友人たちとコタツに入りながら「星野源の『エピソード』ってコタツみたいなアルバムだよね」と音楽談義をしました。歌われているのはなんてことない日常で、派手さは1ミリもないけれど、そこが最高なんだと。2011年の震災後ほどなくリリースされた素朴で温かい音楽を聴きながら、いま再び、あたり前の日々がある愛おしさをかみしめています。
前出の星野源よろしく、生活臭漂うジャケットに興味を引かれ手に取った、家主の『生活の礎』。青さが残る歌詞の行間を、情緒豊かなメロディが埋めていく感じがとてもよいです。「カメラ」は、どんな日々の中にもきらめく一瞬があるのだと思わせてくれた1曲。粛々と過ごすなかでも心は錆びつかせまいと思いました。
ライブハウスが目の敵にされ、相次ぐ公演中止に悶々としながら、ceroの配信ライブを見ました。ZAIKOというシステムでチケットを購入すると、リアルタイムとアーカイブで1週間視聴できるという仕組みです。カメラワークや舞台照明はライブDVDさながら。自宅から参加できるとなれば、遠方の人や、私のような子育て中の人にもありがたい。今回は¥1000+投げ銭ではあったものの、観客はきちんと料金を払い、会場に集客せずともライブを開催できたというのは、希望ではないでしょうか。満ち足りた気分で聴く「街の報せ」は最高でした。
再び友人に会えたとき、ライブハウスへ足を運んだとき、私は泣いてしまうかもしれない。ありふれた日常よ、早く戻ってこい。
星野源『エピソード』
ありふれた日常に鋭いまなざしを向ける2ndアルバム。「うちで踊ろう」のムーヴメントは彼が人々の日々に寄りそうスターであることを改めて印象づけた

家主『生活の礎』
100s、アジカン、WeezerからTeenage Fanclubまで、さまざまなアーティストのエッセンスがつまったような作品。輝きを失わない青春ロックを奏でる4人組。バンドとしての決意表明とも受け取れる1stフルアルバム

cero『街の報せ』
髙城晶平、荒内佑、橋本翼の3人からなる東京発ポップバンドのシングル。都会的なネオソウルに乗せ、なんでもない日常の夜の多幸感を綴った名曲
