レスリー・キーさんの写真展、「Mode/Muse」には12組の現代を象徴する〝女神〟たちのポートレートが飾られています=東京・池袋の「パルコミュージアム」  

《池袋》ファッションと女神の肖像 レスリー・キー写真展「Mode/Muse」パルコミュージアムで


 松任谷由実や沢尻エリカなど多くの著名人のポートレートを手がけてきたシンガポール出身の世界的な写真家、レスリー・キーさんが、東京・池袋の「パルコミュージアム」で写真展を開催しています。タイトルは、「Mode/Muse」(モード・アンド・ミューズ)。写真家としての〝原点〟となった「MODE」つまりファッション写真と、レスリーさんが魅了された12組の「MUSE」(女神)たちのえりすぐりのポートレートという2つのパート、計300点で構成されています。

写真展の会場でポーズを取るレスリー・キーさん=東京・池袋の「パルコミュージアム」  (©TAKAMURADAISUKE)


 台湾版「VOGUE」で17年間にわたって撮影した作品を初めて展示するほか、映像作家という彼のもうひとつの顔にもフォーカスをあてます。

レスリーさんの原点の1つ、「ファッション」写真


 開幕に先だち8日には、オープニングレセプションが行われ、レスリーさんが写真展や写真への思いを熱く語りました。

沢尻エリカの写真は、まるで故きよき時代のヨーロッパの女優のような雰囲気を漂わせる


沢尻エリカ


 レスリーさんが日本で初めて見た写真展は、くしくもパルコミュージアムだったそう。東京で写真専門学校に通っていた1994年のことです。今は亡きアメリカの著名な写真家、ハーブ・リッツが、当時すでに圧倒的な人気を誇っていたサッカーの三浦知良選手のヌードを巨大な球体オブジェとともに撮り下ろした写真展でした。

黒木メイサ


 「日本では海外のアーティストも写真展ができるんだ」。しかも当時の入場料はたったの300円。パルコが内外のアーティスティックな活動をする人にさまざまな空間を提供し、数十年かけて築き上げた作品を300~400円という安価で鑑賞できることにいたく感動したといいます。
 「きょうは念願のパルコミュージアムで写真展ができてとても幸せです」と感慨深そうに話しました。

檀蜜の写真の前で写真展への思いを語るレスリー・キーさん(写真・田中幸美)


 「本当にただのオタクで、今も半分オタク」と自身を称するレスリーさんと日本との出合いは13歳のころ。ユーミンの音楽をきっかけにアイドルをはじめとする日本の音楽に夢中になり、たくさんの写真家が手がけたレコードジャケットを見ては「こういう風に撮りたいと思っていた」といいます。当時の第一線の写真家、アートディレクター、スタイリスト、ヘアメークデザイナーがかかわった作品から多くのインスピレーションを得たそうです。

2001年から撮り続けている松任谷由実のポートレート


 写真家になって18年、好きなファッションをメーンに撮り続けてきました。ただ、20代、30代は雑誌などの撮影依頼が殺到したのに対し、「40代になったらなかなか来なくて。それが悔しい」と話していました。「日本の編集者は若い方がやりやすいのかなって。それはよくわかりませんが、とにかくファッションをやり続けます」とも。

レスリー・キーさんと激励に駆けつけた写真家の高橋恭司さん(左) (写真・田中幸美)


 欧米では年齢に関係なく、実力があれば大きな仕事を任されるといいます。しかし日本の場合はそれが少ないのが現状と嘆いていました。
 そして、「私は選ばれなくてもいいですが、その代わりに人を選ぶ」。

秋元梢


 その言葉を証明するかのように2004年から、自らクリエーティブディレクターを務める写真とアートマガジンのシリーズ「SUPER」を自費出版しています。「まったくもうかっていないけど幸せになる雑誌」といいます。世界の企業やトップアーティスト、ファッションデザイナーなどと積極的にコラボレーションを仕掛けており、50冊を超える写真集の出版と写真展を開催しています。

リオ五輪閉会式の東京セレモニーなどですっかり有名になったAyaBambi


 作品は人にメッセージを送ったり、希望や夢を与えたりするものといいます。「(写真は)やりがいのある仕事です。撮り続ける自分がいて、パルコのようにたくさんのクリエーターに可能性を与えてくれる場所がある。私も夢が1つかないました」と結びました。
 美しいレスリーさんの世界観にあなたも浸ってみませんか。

(作品はすべて©LESLIE KEE)

◆「MODE/MUSE LESLIE KEE PHOTO EXHIBITION」は、東京都豊島区南池袋1-28-2の「池袋パルコ」本館7階のパルコミュージアムで4月2日(日)まで。午前10時~午後9時(入場は閉場の30分前まで、2日は午後6時閉場)。一般500円、学生400円、小学生以下無料。問い合わせは☎03・5391・8686。
詳細は、http://www.parco-art.com/web/museum/exhibition.php...

◆写真集「MODE/MUSE PHOTOGRAPHY LESLIE KEE」(2500円・税抜き、PARCO発行)は、展覧会会場で先行販売しています。A3サイズ、92ページ、1000部限定、アートディレクションは井上嗣也氏(BEANS)が担当。展覧会終了後、一部書店にて限定販売の予定。


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