オーガニックの必要性は、これからもっと増していく。そう語る今回のゲストは、クリエイティブディレクターの三嶋章義さん。これからの時代を生きるためのヒントが垣間見える対談です。
小木:今回のゲストは、アートディレクターの三嶋章義くんです。三嶋くんには、コスメキッチン15周年のいろいろな企画をディレクションしてもらっています。
三嶋:お話をいただいたのは、ちょうど1年前くらいでしたね。15年間オーガニックという概念を牽引してきたコスメキッチンが、これからの15年は「サスティナブル」の意識をもっとひとりひとりに根付かせたいんだ、という小木さんの想いを聞いて。
小木:どんなことをやろうかと何度も話し合って生まれたのが、日本の聖地5カ所のエネルギーを込めたエッセンススプレーの開発。久高島・仙酔島・富士山・天川村・淡路島のパワースポットでエッセンスをつくりました!
三嶋:ちょうど元号が令和になるタイミングでもあったし、日本をテーマにしたいという想いが僕のなかにありました。最初は、全国に80 店舗あるコスメキッチンで、それぞれの地域のカラーを活かした民芸品などを作ってはどうかな?と考えていたんですが、なかなか実現が難しくて。そんなとき、日本の聖地のエネルギースプレーという話になって「これだ!」と。正直、かなりぶっ飛んでる企画だなと(笑)。
小木:もともとコスメキッチンはフラワーエッセンスなどのエネルギースプレーを扱っているから、むしろ自然な流れだったかも。スプレーすると空間や環境を整えてくれるんですよね。
三嶋:エネルギーという見えないものを、スプレーへと可視化するのはわくわくしました。僕がアートでやりたいのもそういうこと。今僕たちは人類史上もっとも進化した時代に生きていると思いがちだけど、科学が発達していない太古の時代は、もっと自然と繋がる力や、見えない何かを感じ取る力が優れていたはず。その力を思い出させてくれるヒントのようなものは、これからの時代に大切になると思うんです。
小木:オーガニックは、自分を知ることを教えてくれるんです。科学的には解明されていないけれども、人間が太古から持っている第六感みたいなものを磨いていける。その感覚を頼りに自分で選ぶことができる時代に、これからどんどんなっていくと思う。この15年でオーガニックはずいぶん当たり前になったけど、その背景にはSNSの存在があると思っていて。誰もが同じテレビCMに憧れる時代から、リアルな情報を自分で取りに行く時代に変わった。「素敵な人はオーガニックを使ってるんだ、じゃあ私も」と自分の感覚で調べて選んでいく人が、増えたということなんじゃないかな。
三嶋:オーガニックなものを使うと、自分のなかに変化が起こる。考え方だったり体のコンディションだったり、人によっては生き方も変わるし、成長もできるはず。
小木:それはお客様たちがいちばん敏感に感じ取ってくれていますね。今年2月からコスメキッチン全店でショッパー(買い物袋)を有料化したんだけど、みなさん当たり前のこととして受け止めてくださって。顧客の皆様のご理解に感謝するとともに、時代の変化を目の当たりにしています。
三嶋:これからは個性の時代。自分が持っている繊細なスキルをどう磨き、どう感じ取って表現していくかが、生き方に直結していくと思います。そんな時代を先導するのがコスメキッチンなのかなと。
小木:そうありたいですね。そのために、これからも進化を続けていきます!
《THIS MONTH GUEST》
アートディレクター 三嶋章義(みしま あきよし)さん
2001年、グラフィックデザイナーとしてエンライトメントに参加。2006年より美術家として活動を開始。国内外で個展を行い、NANZUKA(東京)、 Nagel Draxler(ベルリン、ケルン)に所属
Blessings of Gaia Spray
たくさんのご縁と協力で奇跡的な完成度の高さになったBlessings of Gaia Sprayは、現在発売中。アートワークはヒロ杉山氏が率いるエンライトメント