女が集まる世界には、お局(つぼね)様問題がつきもの。若い頃は私も微妙なお年頃のお姉さんの、理由のわからない冷たい態度に怯えることがありました。女性は、年齢による葛藤に折り合いがつくまでのあいだ、周りの人たちまで巻き込んでピリピリすることがあるのです。
やがて自分がお局と呼ばれる年代になり、「若い子がそこにいるだけでなんだか不機嫌」な自分に気づいたときには、「あの時のお姉さんの心情はこれか!」と、妙に納得したものです(笑)。
お局様問題は、若い女の子・お局・周囲の男性という三者間で勃発すると、被害甚大。若い女の子の批判をしているお局に、周りの男性が「あの子はいい子。あなたが間違ってる」と若い子の味方をしたときに最も激化します。若い子をかばうつもりの一言が、結果はまったくの逆効果。お局様のいびりは激しさを増し、若い子はいっそう窮地に立たされます。仕事に支障が出るとのことで、講演のときにも相談を受けることがあります。
かつて自分が享受していた労わりや関心が、知らぬ間に若い子へと移っていることへの痛みが、お局様の無意識の嫉妬につながっていることも。だからこそ、正しさは関係なく、誰かが自分の言い分を聞いて味方をしてくれるだけで心がすっとして、若い子に優しくなれることも多いのです。
「古いもの、付き合いの長いものから大事にするとうまくいく」と、女性社員が多いある企業のお客様がおっしゃっていました。表現に語弊はあるものの(笑)、男性はとくに知っておくべき教訓です。
理不尽なお局様は悩みの種かもしれませんが、気難しい人ほど愛情が深いことも。相手を立てることや、歩み寄る姿勢によって関係が変わることも少なくありません。また、何年後かの自分かもしれないお局様の姿は、女性としてのこれからの生き方を深く考えさせてくれる存在でもあるのです。