お弁当に詰め込んだ、娘への想い
映画『今日も嫌がらせ弁当』は、反抗期の娘に強烈な„キャラ弁“をつくり続けた母親による、大ヒットブログのエッセイをもとにした作品。母・かおり役として白羽の矢が立ったのが、自身も2児の母である、篠原涼子だ。彼女も実生活では、子どもたちのお弁当づくりに励む日々を送っているという。
「私にとってお弁当は、愛のかたまり。つくった人の気持ちが中身から想像できて、食べると深い愛を感じられますよね。私も家族への愛情表現として、料理やお弁当を大切にしているので、アットホームで愛のあるこの作品の世界観に楽しく入り込めました」
原作者のkaori(ttkk)さんとも多くの会話を交わして、役づくりの参考にしたという。
「kaori(ttkk)さん親子の楽しい関係性を表現したくて、動きや表情はわかりやすいものにしようと、『変顔とかしちゃうかもしれません!』と彼女にはお伝えしました。朝は、娘をラテン風のノリで起こしているというお話を聞いたので、そのシーンでは私のオリジナルダンスを踊ったりもしています。もっとうまく踊れたかも…と心残りもあるんですけど(笑)」
子どもの反抗期や親子の衝突という繊細なテーマを扱いつつも、思いきり笑って泣ける今作。なんと、完成した映画が面白くて、一日で二回見るという、女優人生初の経験をしたのだとか。
「子どもの心に向き合いたくて、言葉ではない方法で愛を伝える母親と、自分の気持ちをうまく表現できない娘。ちょっと変わったコミュニケーションで、少しずつふたりの絆が強くなっていく過程を、改めてスクリーンで見て心が温かくなりました。誰でもリラックスして見られる映画なので、気楽に楽しんでもらえたらと思います」
彼女がポジティブに演じる母親の姿を、ぜひ映画館で確認してほしい。
しのはら りょうこ
1973年8月13日、群馬県生まれ。1990年デビュー。2001年、蜷川幸雄演出の『ハムレット』で舞台初出演。2004年、『光とともに…~自閉症児を抱えて~』でTVドラマ初主演。以降、TVドラマ&映画『アンフェア』シリーズ、映画『人魚の眠る家』など多くの作品で主演を務める
『今日も嫌がらせ弁当』
2019年6月28日(金)より全国公開
原作:『今日も嫌がらせ弁当』kaor(i ttkk)三才ブックス刊
監督・脚本:塚本連平
主題歌:フレンズ『楽しもう』(ソニー・ミュージックレーベルズ)
出演:篠原涼子/芳根京子/松井玲奈/佐藤隆太ほか